ゲーム理論に学ぶ『囚人のジレンマ』~「裏切り」か「協調」か~
■ ゲーム理論今月は、ゲーム理論です。ゲーム理論とは、社会において自社の行動が、競合他社に対してなんらかの反応を引き起こし、それがまた自社の行動に影響してくる・・・という、さもゲーム的な状況のなかで、競合する企業間の相互作用・競争行動を分析して数字に表していくものです。 ■ “囚人のジレンマ” “囚人”というと、名前は少し物騒ですが、“囚人のジレンマ”とは、ゲーム理論の代表的なモデルで、非協力ゲームのひとつです。 社会のなかでお互いが協力し合うことが、より良い結果を招くことがわかっていても、自分だけが協力しない方が、目の前の利益を得られるような状況になると、目先の損得だけを考えて、お互いに協力しなくなってしまう・・・そんな一種の“ジレンマ”のような理論です。 1950年に、数学者のアルバート・タッカーが考案した際、ゲーム理論を囚人の黙秘や自白に例えたことから、“囚人のジレンマ”という名前が付いています。各個人が合理的に選択した結果が、必ずしも社会全体にとって望ましい結果とはならない・・・その意味で、社会的ジレンマとも呼ばれています。 (つづく)