TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

記事一覧

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ゲーム理論に学ぶ『囚人のジレンマ』~「裏切り」か「協調」か~

15.09.14
経営全般

■ ゲーム理論今月は、ゲーム理論です。ゲーム理論とは、社会において自社の行動が、競合他社に対してなんらかの反応を引き起こし、それがまた自社の行動に影響してくる・・・という、さもゲーム的な状況のなかで、競合する企業間の相互作用・競争行動を分析して数字に表していくものです。 ■ “囚人のジレンマ” “囚人”というと、名前は少し物騒ですが、“囚人のジレンマ”とは、ゲーム理論の代表的なモデルで、非協力ゲームのひとつです。 社会のなかでお互いが協力し合うことが、より良い結果を招くことがわかっていても、自分だけが協力しない方が、目の前の利益を得られるような状況になると、目先の損得だけを考えて、お互いに協力しなくなってしまう・・・そんな一種の“ジレンマ”のような理論です。 1950年に、数学者のアルバート・タッカーが考案した際、ゲーム理論を囚人の黙秘や自白に例えたことから、“囚人のジレンマ”という名前が付いています。各個人が合理的に選択した結果が、必ずしも社会全体にとって望ましい結果とはならない・・・その意味で、社会的ジレンマとも呼ばれています。 (つづく)

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ノイズキャンセリングに学ぶ『リスクヘッジ』~ビジネスのリスクを、どう分散するか

15.08.13
経営全般

■ “ノイズキャンセリング”ヘッドホン暑い夏、ただでさえ蒸し暑い電車の中などで、他の乗客がされているヘッドホンから漏れてくる、大音量で流れてくる音楽・・・気になった経験のある方、少なくないのではと思います。“ノイズキャンセリング”ヘッドホン・・・ご存知でしょうか。電車や航空機などで、音楽はじめ様々な音声を聞くときに、電車の走行音やエンジンなど、周囲の様々な騒音をカットしてくれる、まさに“ノイズキャンセリング”なのです。最近は、英語のリスニングや集中して勉強・仕事をするときなどに、周囲の雑音で気が散らないように、この“ノイズキャンセリング”ヘッドホンを使われる方も多いようです。付けている人は、大きな音量で音楽を聞く必要がなく、静かな環境で低音量でも音声が聞き取れるので、周囲の人達にも、音漏れで迷惑をかけることがなくなる・・・というものです。 (つづく)

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『経営理念』のチカラ!

15.05.14
経営全般

■ 長年、企業を存続できる喜び印刷業を創業した亡父の時代から、私自身もお世話になり、印刷業界を長年牽引されてきた方の経営される印刷会社の社長交代に伴う就任祝賀会が、先月開催されました。長年務めた社長を、娘婿の新社長にバトンタッチされ、新会長として万感の想いを込めた挨拶・・・とても心に残りました。 「社長交代はもとより、これまで60年超にわたって企業を存続できたことを、創業者が一番喜んでくれました」 「昨年の段階で、一年後には社長交代を・・・と創業者に打診した時、その際の社長就任パーティーは、長年の感謝の意を込めて、是非とも盛大に行って欲しい!」 一年前、初代社長でもある創業者に、そう乞われたそうなのです。会費を強く固辞された会社の姿勢にも、その思いを深く感じました。■ 原動力は『経営憲章』 新会長が、かつて社長に就任した当時、今から遡ること25年。 当時は、会社は財政的にもあまりゆとりがなく、盛大な社長就任のお披露目が叶わなかっただけに、次の社長交代期には盛大に・・・というのが、初代の悲願だったというのです。            「社長交代は、決して3~4年という短いスパンではなく、 20~30年越しの、長いスパンでの会社にとっての一大プロジェクト!」 確かに私自身、数多くのクライアントと仕事をさせていただくなかで、事業経書ほど難しいものはないと、実感しています。 最近、会計事務所経営者のなかでも、“逓増定期保険に加入”される諸先輩が増えています。“逓増定期保険加入”にあたっては、退職予定年齢に達した時に、返戻金がピークになるように設計書を作成することが求められるだけに・・・必然的に、リタイアするタイミングを決める必要性に、迫られるからです!(つづく)

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“軒先ビジネス”・・・ビジネスコンテストもTKCも先見の明!

15.03.17
経営全般

■ ビジネスコンテストYOAKE 3月6日、東京証券取引所で開催された、株式会社ウィルグループ主催のビジネスコンテストBusiness Contest YOAKE。 2014年11月に予選スタートして、決勝までに3回の予選会を開催。 50社を超える応募の中から最終的に選ばれた7社が、決勝に進むことに。 厳重すぎるほどの警戒のなか、東京証券取引所内のプレゼンテーションステージにて開催されました。  新しい時代を見据える、革新的なプレゼンテーションに、何度も唸ってしまったのです!! 【決勝出場企業】  ①軒先株式会社 ②TRAVEE ③セイムクリック株式会社 ④ワークシフト・ソリューションズ株式会社 ⑤Up performa Co.,Ltd ⑥グリッドマーク株式会社 ⑦株式会社アビリティー(つづく)

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『ベンチャー企業』は突然変異!?

15.03.16
経営全般

(『“軒先ビジネス”・・・ビジネスコンテストもTKCも先見の明!』記事からの続き)■ 『ベンチャー企業』は、突然変異?!株式会社ウィルグループ主催 『Business Contest YOAKE2014』プレゼンテーション終了~審査発表の間、特別ゲストとして講演されたのが、マネックス証券の松本 大 氏。 テーマは『ベンチャー企業』・・・まさにベンチャーの旗手だけあって、ひと言ひと言に、とても説得力があるのです! ベンチャーとは、中小企業の一形態ではない。 ベンチャー=冒険=新しいことにチャレンジすること。 ダーウインは、ガラパゴス島で ”突然変異種” を発見する。 最初は”突然変異”でも、周りの新しい環境に適合すれば、種そのものが大きく進化していくことを発見することになる。 (つづく)

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『ビジネスモデル』を築き上げるために・・・

15.03.15
経営全般

(『ベンチャー企業』は突然変異!?』記事からの続き)■ エッ、こんなスゴイ後輩が・・・ マネックス証券・松本大氏講演の最後に。。。松本氏と名刺交換。 同窓と聞いたことがあるので・・・もしやと思い、恐る恐る訊ねてみたのです。 もしかして。。。 「そう、皆さんが高3の時、高1でした。」 「4組?」 「エッ、同じ緑組?!」 「山崎さんが高3の4組・緑組のとき、高1の4組、同じ緑組でした。」「覚えています。。。」 「エッ、こんなスゴイ後輩がいたなんて!!!」 ■ スゴイ後輩・・・から教わったこと!! スゴイ後輩・松本大氏の話の続きです・・・ 『ビジネスアイディア』と『ビジネスモデル』は、明確に違う! 『ビジネスアイディア』は、決して自分だけが発明・発見したと錯覚してはいけない。 よほどの天才でもないかぎり、既に世界中の誰かが気がついているはず。 それが『ビジネスモデル』とまではなっていないので、市場に出ていないだけ!! それに対して『ビジネスモデル』は、『ビジネスアイディア』を事業化し、収益性あるサービスの対価として、 ビジネスを継続できるパッケージに仕上げたもの。 だから市場にも出ている。 かつてエジソンは、「発明=1%のインスピレーション+99%の努力の結晶」と語ったが、 ベンチャービジネスも同じことがいえるのでは。。。 『ビジネスアイディア』=インスピレーション。  『ビジネスモデル』=継続的な努力の結晶。 『ビジネスモデル』として継続できる仕組みづくりが大事!  ■ 『ビジネスモデル』を築き上げるために・・・ そのために必要なこと、6点・・・ 1. 理念 中小企業が大企業と伍して戦って行くためには、 理念が必須。  社員が一致団結して同じベクトルに向かって進めば、  スカラー料×歩数×人数で、同じ方向に進む分、 数が少なくても勝てる!  理念を高く掲げて、社内を同じ方向に向けて、 少ない人数でも大企業に勝てるように。 2. 軌道修正 ロケットが宇宙衛星に到達するには、軌道修正が必要。  最終目的地に到達するためには、不断の軌道修正が必要。 3. コミュニケーション 社員とコミュニケートできてはじめて、理念を合わせられる。  外部関係者とコミュニケートできてはじめて、 適切な軌道修正ができる。  睡眠時間と一緒で、削ることができない。  とても時間がかかる、決して効率よく削ることができないもの と心得て。 4. 自己旧体制化の認識 自身の起業は36歳。今は51歳。  自分自身は齢をとり、必然的に古くなっていくが、 会社や組織は古くならないように。  とりわけ経営判断をする層が古くならないように活性化し、 革新化していく体制を。 5. 好奇心 経営体(経営陣)のサービスに対する好奇心が、 なによりも大切。 そのためにも、強い好奇心、意識の高い仲間を持つことが 大事。  進学校にいる高校生と同じことがいえるのではないか。  意識が高い仲間とコミュニケートしているから、 彼らは仲間にも刺激されて、高い目標を目指して努力する。  意識の高い経営者と近くにいること・・・とても大事!! 6. 資本政策 上場とは、パーマネントキャピタル。  上場前後で、株主バランスをどう持つか、ベンチャー企業が 理念を崩さずにどう成長していくか! この資本政策を誤ることなく。。。 (つづく)

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『非必需品』『非日常』マーケットに活路?!

14.12.16
経営全般

■ 人口減少時代に対する考え方今年も、残すところあと半月になりました。皆様にとっては、どんな一年だったでしょうか。 私にとって、今年も充実した気持ちで楽しく参加し続けてきた会に、『会計事務所5%倶楽部』(主催:株式会社ooyaビジネスクリエイト・大谷展之氏)という隔月の定例研究会があります。 会計事務所業界の上位5%を目指そうという会計事務所が全国から集って、時代のトレンドを研究しつつ、マーケティング戦略等を勉強しています。 先日のテーマは「人口減少社会に対する考え方」。 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、いわゆる生産年齢人口(15~64歳)は、1990年→2020年にかけて約2,000万人減少。 (つづく)

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松下幸之助翁がひそかに…黒田長政『腹立てずの異見会』

14.09.11
経営全般

■ 松下幸之助翁の墓参に 今年は、松下幸之助翁生誕120年、没後25年、松下政経塾創設35周年の節目の年。  全国から70名を超える政経塾OBが、松下幸之助翁の生誕地・和歌山に集って、松下幸之助翁の墓参・・・ ひとりひとり、墓前で手を合わせながら、幸之助塾主への想いを誓い合ったひと時でした。 数日前に目玉女性閣僚として入閣したばかりの高市早苗・総務大臣も関空から駆けつけて墓参。 女性が活躍できる場づくりに取り組んでいる当社としても、とっても嬉しい出来事です。  「女性閣僚おめでとうございます!先輩頑張って」  「有難う。これまだ100枚しか作ってもらっていないの・・・」 と、就任御挨拶と書いた名刺をいただきながら、昔を懐かしく思い出していました。

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山本五十六に学ぶ『中小企業経営』

14.06.10
経営全般

■ 山本五十六を訪ねて長岡市に・・・ 新潟市で開催された前日までの印刷業界総会を終えて、6月8日、長岡市に足を運びました。 長岡の生んだ偉人・山本 五十六の足跡を訪ねるべく・・・ 「為せばなる 為さねばならぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」 亡父が創業した印刷会社の片隅に、かかっていた額・・・ 米沢藩を再建させ、江戸時代屈指の名君といわれた上杉 鷹山の短歌です。  私自身、小さい頃から見て育っただけに、忘れることができません。