『高い社員満足度こそ、最大の顧客サービス』~信用金庫に学ぶ中小企業経営~
■ マイナス金利。。。金融機関は、さぞかし厳しいと思いきや
2月24日、日本経済新聞の一面。
「三菱東京UFJフィナンシャル・グループが、米国で本格的に個人向けのネットバンキングを立ち上げる。
日銀のマイナス金利で、国内では利益を上げにくいことが要因」という記事。
天下のメガバンク・MUFGでも、これだけ厳しい状況なので、さぞかし中小金融機関は厳しいはず。。。
そんな思い込みで、仕事柄、これまで多くの金融機関と接してきました。
そんなマイナス金利下にあっても、例外中の例外、とてつもなく元気のある金融機関もあるのです。
その金融機関の名は、西武信用金庫。
牽引する落合寛司理事長が、なんとも威勢が良く元気が良いのです。
理事長就任以来、信金業界では群を抜く成長が、多方面から注目され続けています。
昨今、西武信用金庫は私の所属するTKC全国会とも縁が深まり、落合理事長とも様々な形で意見交換をさせていただく機会も増えたこともあり・・・
企業経営にとっても学ぶことが多いと思い、ご紹介させていただきます。
(つづく)
2月24日、日本経済新聞の一面。
「三菱東京UFJフィナンシャル・グループが、米国で本格的に個人向けのネットバンキングを立ち上げる。
日銀のマイナス金利で、国内では利益を上げにくいことが要因」という記事。
天下のメガバンク・MUFGでも、これだけ厳しい状況なので、さぞかし中小金融機関は厳しいはず。。。
そんな思い込みで、仕事柄、これまで多くの金融機関と接してきました。
そんなマイナス金利下にあっても、例外中の例外、とてつもなく元気のある金融機関もあるのです。
その金融機関の名は、西武信用金庫。
牽引する落合寛司理事長が、なんとも威勢が良く元気が良いのです。
理事長就任以来、信金業界では群を抜く成長が、多方面から注目され続けています。
昨今、西武信用金庫は私の所属するTKC全国会とも縁が深まり、落合理事長とも様々な形で意見交換をさせていただく機会も増えたこともあり・・・
企業経営にとっても学ぶことが多いと思い、ご紹介させていただきます。
(つづく)
■ 日本一、給料の高い信用金庫にする!
6年前、落合理事長就任時、社員に向けて掲げたのは、
「日本一、給料の高い信用金庫にする」というスローガン!
『人間主義』、とにかく「人がすべて」を徹底して貫くことを決意し、実行したことで、
社員、そして組織全体の“やる気スイッチ”が入ったというのです。
「パレートの法則」ではありませんが、
同信金全体の収益の8割に貢献する柱となる2割のメンバーを、いかに見出し、育て上げていくか。
そのためも、元気な支店長をたくさん創り、育て上げる仕組み作りに注力してきた、
といつも熱く語られるのです。
確かに、同信金の支店展開の勢いは凄まじく、
規模の大小を問わず、支店空白エリアの隙間を埋めるように、まさに支店網の多店舗展開の様相です。
現時点では72もの支店があり、多くの支店長が一斉に競うことが、
成長の大きな原動力になっていることを実感します。
年3回のボーナス、支店長間では、年額にすると
なんと3倍もの差がつくことも。。。あるとのこと!
まさに成果主義による競争原理を取り入れた“やる気スイッチ”です。
エッ、こんな所にまで??
行員10名未満の小規模支店あり・・・
路面ではなくビルの上階にある空中支店あり・・・
これまでの金融機関の支店開設の常識を覆すような・・・
支店?いやいや支店長展開!なのです。
■ “やる気スイッチ”の背景には、人事システム・発想の転換が
なぜ、信金業界トップの急成長を支えるまでに、支店長の“やる気スイッチ”が入ったのでしょうか?
落合理事長は、こう語ります。
「一国一城の主として、業績が自らの給料にストレートに跳ね返ってくるという仕組み。
支店長の原点は、とにかく“フットワーク!”
しかし、支店長が昇格して本部の部長になった途端、今度は“ヘッドワーク!”に変わる。
“フットワーク”という足腰を鍛えてきた支店長は、
必ずしも“ヘッドワーク”という頭を使うことに長けているとは限らない。
そこで、“執行役員店長”というポストを作って、
現場の支店長を務めたまま本部役員を兼務できるようにしたら、
現場の支店長が元気になった。
さらに、一律的な年齢による定年制を止めた。
そうしたら、若い人も、また定年間際の人も本当に元気になった。」
業績連動的な成果主義を、
現場のトップたる支店長の意識改革に結びつけたことは、
もちろん大きな成果でしょう。
しかしながら、“一国一城の主”としての決裁権限と責任を
保ちつつ、“フットワーク”を鍛え上げてきたこれまでの自信
を失うことなく、金融マンの憧れでもある本部役員昇格と
いう道が、支店長兼務本部役員という形で開かれたこと・・・
支店長のホンネの部分をしっかりとつかみ、
支店長の自己実現への道を大きく開いたことが、
支店長の“やる気スイッチ”ON!に
大きくつながったのでしょう。
後日言われてみれば、ちょっとした気づきのようにも思えますが、
現場の気持ちを理解した人事システムに関する発想の転換が、
実は大きな成果だったのだろうと思うのです。
ほかならぬ落合理事長は、現場たたき上げの支店長出身の理事長ゆえ、
気がついた視点なのかもしれません。
■ “人を大切にする経営”
かくいう当社でも、経営理念の柱のひとつとして
『仕事を通じた自己実現~高い社員満足度こそ、最大の顧客サービス~』を掲げています。
人を大切にする会社づくりを忘れることがなきように、
毎日、朝礼での経営理念唱和も重ねながら、社員との意識共有を続けています。
社員さんが大切にされて楽しく仕事ができれば、
今日一日、ふれあうお客様も大切にして、満足いく仕事を楽しく届けられるでしょうから。。。
先日、誕生日を迎えたばかりの20代若手社員に、お祝いの誕生日メッセージを送ったら、
こんな嬉しい返信が届きました。
「誕生日メッセージ、有難うございます。
入社時には右も左もわからないなか、
お客様に迷惑をかけても仕事を任せ続けてもらい、私は本当に幸せです。
先生に出会っていなければ、今の自分はここに居ないと思っています。
どんなに感謝しても、お返しができません。
本当に有難うございます。
どうぞ、今後とも宜しくお願いいたします。」
西武信金・落合理事長いわく、
「出来る人間は、枠を外すと、どんどん業績が上がっていく。
それは、知恵と努力で自分を変えることに専念していくから・・・」
私自身、社員さんを信じて任せきることが、
人が成長し組織の業績も向上していく原動力となること・・・
50代半ばになって、記憶も体力も衰え始めて、より身をもって痛感している昨今です。。。
平成29年(2017年)3月
山 崎 泰
6年前、落合理事長就任時、社員に向けて掲げたのは、
「日本一、給料の高い信用金庫にする」というスローガン!
『人間主義』、とにかく「人がすべて」を徹底して貫くことを決意し、実行したことで、
社員、そして組織全体の“やる気スイッチ”が入ったというのです。
「パレートの法則」ではありませんが、
同信金全体の収益の8割に貢献する柱となる2割のメンバーを、いかに見出し、育て上げていくか。
そのためも、元気な支店長をたくさん創り、育て上げる仕組み作りに注力してきた、
といつも熱く語られるのです。
確かに、同信金の支店展開の勢いは凄まじく、
規模の大小を問わず、支店空白エリアの隙間を埋めるように、まさに支店網の多店舗展開の様相です。
現時点では72もの支店があり、多くの支店長が一斉に競うことが、
成長の大きな原動力になっていることを実感します。
年3回のボーナス、支店長間では、年額にすると
なんと3倍もの差がつくことも。。。あるとのこと!
まさに成果主義による競争原理を取り入れた“やる気スイッチ”です。
エッ、こんな所にまで??
行員10名未満の小規模支店あり・・・
路面ではなくビルの上階にある空中支店あり・・・
これまでの金融機関の支店開設の常識を覆すような・・・
支店?いやいや支店長展開!なのです。
■ “やる気スイッチ”の背景には、人事システム・発想の転換が
なぜ、信金業界トップの急成長を支えるまでに、支店長の“やる気スイッチ”が入ったのでしょうか?
落合理事長は、こう語ります。
「一国一城の主として、業績が自らの給料にストレートに跳ね返ってくるという仕組み。
支店長の原点は、とにかく“フットワーク!”
しかし、支店長が昇格して本部の部長になった途端、今度は“ヘッドワーク!”に変わる。
“フットワーク”という足腰を鍛えてきた支店長は、
必ずしも“ヘッドワーク”という頭を使うことに長けているとは限らない。
そこで、“執行役員店長”というポストを作って、
現場の支店長を務めたまま本部役員を兼務できるようにしたら、
現場の支店長が元気になった。
さらに、一律的な年齢による定年制を止めた。
そうしたら、若い人も、また定年間際の人も本当に元気になった。」
業績連動的な成果主義を、
現場のトップたる支店長の意識改革に結びつけたことは、
もちろん大きな成果でしょう。
しかしながら、“一国一城の主”としての決裁権限と責任を
保ちつつ、“フットワーク”を鍛え上げてきたこれまでの自信
を失うことなく、金融マンの憧れでもある本部役員昇格と
いう道が、支店長兼務本部役員という形で開かれたこと・・・
支店長のホンネの部分をしっかりとつかみ、
支店長の自己実現への道を大きく開いたことが、
支店長の“やる気スイッチ”ON!に
大きくつながったのでしょう。
後日言われてみれば、ちょっとした気づきのようにも思えますが、
現場の気持ちを理解した人事システムに関する発想の転換が、
実は大きな成果だったのだろうと思うのです。
ほかならぬ落合理事長は、現場たたき上げの支店長出身の理事長ゆえ、
気がついた視点なのかもしれません。
■ “人を大切にする経営”
かくいう当社でも、経営理念の柱のひとつとして
『仕事を通じた自己実現~高い社員満足度こそ、最大の顧客サービス~』を掲げています。
人を大切にする会社づくりを忘れることがなきように、
毎日、朝礼での経営理念唱和も重ねながら、社員との意識共有を続けています。
社員さんが大切にされて楽しく仕事ができれば、
今日一日、ふれあうお客様も大切にして、満足いく仕事を楽しく届けられるでしょうから。。。
先日、誕生日を迎えたばかりの20代若手社員に、お祝いの誕生日メッセージを送ったら、
こんな嬉しい返信が届きました。
「誕生日メッセージ、有難うございます。
入社時には右も左もわからないなか、
お客様に迷惑をかけても仕事を任せ続けてもらい、私は本当に幸せです。
先生に出会っていなければ、今の自分はここに居ないと思っています。
どんなに感謝しても、お返しができません。
本当に有難うございます。
どうぞ、今後とも宜しくお願いいたします。」
西武信金・落合理事長いわく、
「出来る人間は、枠を外すと、どんどん業績が上がっていく。
それは、知恵と努力で自分を変えることに専念していくから・・・」
私自身、社員さんを信じて任せきることが、
人が成長し組織の業績も向上していく原動力となること・・・
50代半ばになって、記憶も体力も衰え始めて、より身をもって痛感している昨今です。。。
平成29年(2017年)3月
山 崎 泰