オリンピック強化に学ぶ“選択と集中” ~2020年に向けて、会社も強化!~
■ 感動の物語・・・いよいよ東京へ
感動と熱狂とともに、リオデジャネイロのオリンピック・パラリンピックが終わり、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックに向けて、本格的なスタートです。
リオデジャネイロ大会では、オリンピックは、金12・銀8・銅21、獲得メダル数・計41個、パラリンピックは、銀10・銅14、獲得メダル数・計24個。
とりわけオリンピックは、金7個に終わったロンドン大会と比べて、まさに大躍進ともいえる結果となりました。
表彰台に上がる選手の姿に、何度も感動の涙を流し、生きる勇気までもらったオリンピック。
あれから2ヶ月・・・
さらに一歩進めて、感動を与えてくれた背景を少し冷静に見つめてみると、経営に活かせる点が少なくなさそうです。
感動と熱狂とともに、リオデジャネイロのオリンピック・パラリンピックが終わり、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックに向けて、本格的なスタートです。
リオデジャネイロ大会では、オリンピックは、金12・銀8・銅21、獲得メダル数・計41個、パラリンピックは、銀10・銅14、獲得メダル数・計24個。
とりわけオリンピックは、金7個に終わったロンドン大会と比べて、まさに大躍進ともいえる結果となりました。
表彰台に上がる選手の姿に、何度も感動の涙を流し、生きる勇気までもらったオリンピック。
あれから2ヶ月・・・
さらに一歩進めて、感動を与えてくれた背景を少し冷静に見つめてみると、経営に活かせる点が少なくなさそうです。
■ 予算の大幅増額も背景に
大きな躍進の背景には、選手層の厚さ、海外経験の豊富な選手の活躍等はもとより、
国をあげての競技力強化に向けた予算増強!もあったこと・・・
オリンピック後、かなり広く知られることとなりました。
8億1千万円をかけてリオ・オリンピックのために設置され、メダル量産の原動力ともなった
「ハイパフォーマンスサポートセンター」。
試合後、日本選手が一目散に「ハイパフォーマンスサポートセンター」に向かう姿が、
テレビでも度々、放映されました。
外国での競技でストレスが溜まらないようにと、
日本食が用意され、
疲労回復のための炭酸風呂、
さらには相手選手の試合映像を解析する装置まで
備えられていたといいます。
まさに秘密兵器です。。。
オリンピック開催年にあたる今年、
2016年度のスポーツ関連予算は、
前年比34億円増の324億円、過去最高額です。
そのうち、JOC加盟の各競技団体に配分され、
選手強化に直接的につながる競技力向上予算は、前年比13億円増の87億円。
大幅な予算増額が、オリンピックの感動を裏側で支えていたともいえそうです。
■ 「選択と集中」「成果主義」
さらに「選択と集中」。
文部科学省、そして昨年発足したスポーツ庁も、
徹底した「選択と集中」「成果主義」を明確に掲げるに至ります。
各種競技団体が提出した目標値をもとに、
大会実績等も綿密に考慮したうえで、リオや東京で活躍が期待できそうな選手に、重点的に強化費を配分したのです。
まさに、企業の管理会計でいえば「予算実績(予実)管理」の徹底!といえます。
ロンドン大会の際、イギリスがオリンピックに向けて、宝くじの売り上げを利用した公的機関を設置して、
国を挙げて4年間、450億円もの強化費を投入。
その結果、金メダル獲得数が、
世界2位と大躍進したことは有名です。
東京オリンピックに向けて、
なんとスポーツ関連予算を“1千億円”にして
“世界3位”を目指すという、
『東京オリンピックに向けた国策化』
までささやかれています。
「お金をかければ、必ずメダルが獲れるわけではないが、
お金をかけなければメダルは獲れない?!」・・・
というのも、キレイごとだけでは済まされない、
拭いようのない現実なのかもしれません。
■ 現実に戻っても・・・「選択と集中」の波が
現実に戻って・・・10月早々の日経新聞。
日立グループが、「選択と集中」を掲げて主要2事業売却!
との記事が大きく一面に掲載。
国内電機のなかでも「勝ち組」といわれる、あの日立製作所が・・・です。
工具事業と半導体製造事業を手掛ける、ともに東証一部上場会社で、
決して純利益が悪いという訳ではない2事業です。
売上高よりも収益性を最優先して、
インフラやIT事業などの主要事業とのシナジー効果が低いとの経営判断から、売却に踏み切り、
より「選択と集中」を加速化させるとの内容でした。
グループ売上高10兆円を超す「勝ち組」グループが、
売上高1千億円台の上場企業をも売却して、
さらなる「選択と集中」を進め、徹底して競争力を強化する!
ここまでして経営強化を図る大企業の現実は、
中堅・中小企業経営者、そして支える会計人として、
身震いがするような緊張感をもって受け止めるべきかもしれません。
■ 選手とともに会社も強化して、2020年を!
オリンピックの強化費にみる「予算の大幅強化」「選択と集中」。
もちろん、資金を投資したからといって、必ずしも成功するとは限らないが、
資金を投資しない限り成功しない事業・・・
当社にとってそう判断できる、投資に値する事業とは何なのだろうか?
スポーツ庁にみる「実績主義」。
当社も資金投資する以上、事業ごと、商製品ごと、得意先ごと、地域ごと、人ごとに、
毎月徹底して、「予算と実績」を管理できているだろうか?
東京オリンピックの成功に向けて、企業として個人として、税金でしっかりと支えながらも、
東京オリンピックに向けた選手強化策には、
経営基盤強化の観点からも参考にすべき点が多いと思います。
2020年に向けて、オリンピック選手のみならず、
自社もしっかりと強化して、56年ぶりの自国での開会式を迎えたいものです。
平成28年(2016年)10月
山 崎 泰
大きな躍進の背景には、選手層の厚さ、海外経験の豊富な選手の活躍等はもとより、
国をあげての競技力強化に向けた予算増強!もあったこと・・・
オリンピック後、かなり広く知られることとなりました。
8億1千万円をかけてリオ・オリンピックのために設置され、メダル量産の原動力ともなった
「ハイパフォーマンスサポートセンター」。
試合後、日本選手が一目散に「ハイパフォーマンスサポートセンター」に向かう姿が、
テレビでも度々、放映されました。
外国での競技でストレスが溜まらないようにと、
日本食が用意され、
疲労回復のための炭酸風呂、
さらには相手選手の試合映像を解析する装置まで
備えられていたといいます。
まさに秘密兵器です。。。
オリンピック開催年にあたる今年、
2016年度のスポーツ関連予算は、
前年比34億円増の324億円、過去最高額です。
そのうち、JOC加盟の各競技団体に配分され、
選手強化に直接的につながる競技力向上予算は、前年比13億円増の87億円。
大幅な予算増額が、オリンピックの感動を裏側で支えていたともいえそうです。
■ 「選択と集中」「成果主義」
さらに「選択と集中」。
文部科学省、そして昨年発足したスポーツ庁も、
徹底した「選択と集中」「成果主義」を明確に掲げるに至ります。
各種競技団体が提出した目標値をもとに、
大会実績等も綿密に考慮したうえで、リオや東京で活躍が期待できそうな選手に、重点的に強化費を配分したのです。
まさに、企業の管理会計でいえば「予算実績(予実)管理」の徹底!といえます。
ロンドン大会の際、イギリスがオリンピックに向けて、宝くじの売り上げを利用した公的機関を設置して、
国を挙げて4年間、450億円もの強化費を投入。
その結果、金メダル獲得数が、
世界2位と大躍進したことは有名です。
東京オリンピックに向けて、
なんとスポーツ関連予算を“1千億円”にして
“世界3位”を目指すという、
『東京オリンピックに向けた国策化』
までささやかれています。
「お金をかければ、必ずメダルが獲れるわけではないが、
お金をかけなければメダルは獲れない?!」・・・
というのも、キレイごとだけでは済まされない、
拭いようのない現実なのかもしれません。
■ 現実に戻っても・・・「選択と集中」の波が
現実に戻って・・・10月早々の日経新聞。
日立グループが、「選択と集中」を掲げて主要2事業売却!
との記事が大きく一面に掲載。
国内電機のなかでも「勝ち組」といわれる、あの日立製作所が・・・です。
工具事業と半導体製造事業を手掛ける、ともに東証一部上場会社で、
決して純利益が悪いという訳ではない2事業です。
売上高よりも収益性を最優先して、
インフラやIT事業などの主要事業とのシナジー効果が低いとの経営判断から、売却に踏み切り、
より「選択と集中」を加速化させるとの内容でした。
グループ売上高10兆円を超す「勝ち組」グループが、
売上高1千億円台の上場企業をも売却して、
さらなる「選択と集中」を進め、徹底して競争力を強化する!
ここまでして経営強化を図る大企業の現実は、
中堅・中小企業経営者、そして支える会計人として、
身震いがするような緊張感をもって受け止めるべきかもしれません。
■ 選手とともに会社も強化して、2020年を!
オリンピックの強化費にみる「予算の大幅強化」「選択と集中」。
もちろん、資金を投資したからといって、必ずしも成功するとは限らないが、
資金を投資しない限り成功しない事業・・・
当社にとってそう判断できる、投資に値する事業とは何なのだろうか?
スポーツ庁にみる「実績主義」。
当社も資金投資する以上、事業ごと、商製品ごと、得意先ごと、地域ごと、人ごとに、
毎月徹底して、「予算と実績」を管理できているだろうか?
東京オリンピックの成功に向けて、企業として個人として、税金でしっかりと支えながらも、
東京オリンピックに向けた選手強化策には、
経営基盤強化の観点からも参考にすべき点が多いと思います。
2020年に向けて、オリンピック選手のみならず、
自社もしっかりと強化して、56年ぶりの自国での開会式を迎えたいものです。
平成28年(2016年)10月
山 崎 泰