社会保険労務士法人長谷川社労士事務所

上司の決断力とは?

14.02.02
ビジネス【人的資源】
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プロ野球やJリーグなどには、
所属チームを変える「移籍」がある。

チームを変える決断を迫られるのは、
プロ入り後に結果を残せていない選手、
年齢的にピークを越えた選手が多いが、
ときに意外な移籍もある。
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スポーツの視点からみる人的資源

チームの中心として活躍し、今後も期待できる実力派が、
いきなり放出されてしまうことがあるのだ。

実績十分の選手ともなれば、チーム内で一目置かれる立場だ。
影響力は大きい。

チームメイトと過ごす時間は監督やコーチより長いため、
年下の選手などに信奉者が広がっていく。
アドバイスを求めた酒席などで、
「自分も同じ悩みを経験した」と肩でも叩かれたら、
若手が抱く先輩への親近感は一気に高まるだろう。

若手の相談役となる先輩社員と、
組織を束ねる上司の関係が良好なら、
組織全体が円滑に動いていく。

スポーツでも企業でも同じだ。

組織の機能不全を招くのは、若手の人望が厚い先輩が、
上司に不満を感じているケースである。
若手の不満に同調するばかりか、
不満を増長させるネガティブなリーダーを放置するのは危険だ。

何らかのトラブルが発生した際に、
自分以外の他者を責める空気が蔓延してしまうからである。
組織としての危機回避能力が、低下してしまうのだ。

ネガティブなリーダーは、
自らの立場を守るために若手の成長を阻害したりもする。
組織そのものを停滞させる行動だ。

会社組織は外部とのつながりによって成立している。
実績を残してきた人材を失うと、
取引先の信頼を損ねるリスクが生じる。
だが、外部に顔の効く組織のエースにも、
新入社員の時期はあった。
育てる風土があれば、
新たな人材は台頭してくる。

ネガティブな性格をのぞかせるリーダーがいたら、
配置転換などの適切な処置をしていくべきだ。
上司の決断は現状維持ではなく、未来志向でなければならない。


次回のスポーツの視点からみる人的資源は
「ノルマをクリアできなかった際の対処法」(仮)
をお届けします。

[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。

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