社会保険労務士法人長谷川社労士事務所

医療崩壊とマスコミ

16.03.04
業種別【医業】
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診療中に患者や家族からの暴言や非常識な行為を受けたことがありますか? 

医療者専門サイト「エムスリー(m3.com)」が「最も非常識だと感じた患者やその家族の言動は?」という医師へのアンケートを行っていますが、いやもうすさまじいものでした。
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学校でケガをした児童が、学校の紹介で受診したものの、親は「診察は望んでいなかった」と支払いを拒否。数日前から子どもが発熱していたのに、昼間ではなく夜間に受診し、「小児科医を呼べ」と言う。

あげくは、夜間受診で解熱剤ではなく「冷えピタ」を要求する(ええっ)。他にも「親父が老衰で死んだのはお前のせい」「病院にいて容体が悪くなるとはどういうことだ」といった、いわれなきクレームを受けるそうです。 

患者全体からみればごく少数でしょうが、モンスターペイシェントへの対応は精神を激しく消耗します。現場の先生方や職員の方々の気持ちを考えると、重い気持ちにさせられます。せっかく確保したスタッフが精神的にダメージを受け、退職してしまったという話も見受けられます。 

医療崩壊の原因として制度の問題がよく言われていますが、こうした現状を見ると、患者や家族の責任も十分にあると感じさせられます。一方、マスコミにも、間接的ではありますが、責任の一端はあるかもしれません。 

たとえば、腹膜炎での緊急手術を受けたのに「いまの時代は日帰りが当たり前だろう!」とか、患者の家族が入退院の期日を「自由に決められる」という誤解。

「日帰り手術」がクローズアップされ、「医療はサービス業」という言葉が一人歩きすると、一部にはこういう文脈で受け止められます。わたしはマスコミ業界の片隅に身を置く医療ライターですが、やはり責任を感じます。 

さらに、それ以上に直接的な原因となっている「マスコミ人」も存在します。 

「いきなり来院して、自分はマスコミ人で忙しいから今すぐ(叔父の)病状説明をしろ、と言い出した。(中略)自分たちは特別な人間であると思っているようで、とても気分が悪かった」(m3.comより) 

まさに汗顔の至り。さすがに医学や医療記事を担当する「マスコミ人」であれば、医療崩壊の現状などをよく知っている(はずな)ので、こういう言動には及ばない(はず)ですが…。この手の「マスコミ人」に遭遇したら、媒体名はきっちり聞いておかれることをお勧めします。


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[プロフィール] 
中保 裕子(なかほ・ゆうこ) 
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。  
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自主運営サイト「女性のための乳がん情報サイトCandle Room」 
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