社会保険労務士法人長谷川社労士事務所

薬剤師とのタッグが患者さんの療養環境向上をもたらす

15.05.10
業種別【医業】
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先日、ある薬科大学の教授から「最近、在宅医療に進出する調剤薬局が増えている。これからは薬学生も在宅医療を目指して大学を卒業していく学生が増える」という話を聞き、心強く思いました。

在宅医療の現場で、薬剤師はどのような仕事を担えるのか。NPO法人医薬品適正使用推進機構の榊原幹夫さんらが訪問看護師を対象に行った、薬剤師業務についての認知度調査を見ると、薬剤師の職能は思っていた以上に広い、という印象を受けます。
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たとえば、薬に関することでは「(患宅での)副作用や相互作用をチェックし、副作用の可能性があれば医師と相談し、処方を提案する」「居室内の薬の整理整頓や残薬の処理」「バイタルチェック等による副作用モニタリング」「プロトコールの作成、それに基づいた処方提案」「褥瘡の医薬品や医療材料の提案」など。

療養環境を整える、つまり必要な衛生材料や消毒薬を切らさず、適切に供給し続けるのも不可欠な(かつ手間のかかる)業務ですが、ここにも薬剤師の力を期待できます。

たとえば「消毒薬や衛生材料の販売」「吸引器や吸入器などの医療機器の販売やレンタル、およびそれに関わるカテーテル類などの医療材料の販売」「居室内や施設内の消毒や衛生管理のアドバイス」など。

この調査によれば、こうした薬剤師業務を知っている訪問看護師は半数以下だったのですが、先生方はいかがでしょうか。

ここに挙がっている薬剤師の業務は、医師はもちろん看護師とも異なりますし、ちょうどその間を埋めるような仕事と言えるかもしれません。「へえ、そんなこともできるのか」、あるいは「そんなことまでするのか」と感じた先生もいらっしゃるかもしれませんが、薬剤師が在宅医療への経験を積み、職能が十分に発揮されると、医師は医師の仕事に専念できて、かなりやりやすくなり、かつ、患者さんにとっては療養環境の向上につながります。

医師が患者一人に割ける時間が限られているなかで、薬剤師とのタッグは在宅医療を充実させる有力な一手になるものと期待されます。

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[プロフィール]
中保 裕子(なかほ・ゆうこ)
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。 
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