社会保険労務士法人長谷川社労士事務所

子育て中の労働者の雇用継続のため円滑な育児休業の取得と職場復帰を支援

22.12.13
ビジネス【助成金】
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政府は、子育てをしながら働く労働者を支援する事業主に対して、助成金を交付しています。
『両立支援等助成金(育児休業等支援コース)』は中小企業の事業主のみを対象とした助成金で、『育休取得時・職場復帰時』『業務代替支援』『職場復帰後支援』の3種類が設定されています。
今回はそのなかから、『育休取得時・職場復帰時』について紹介します。
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両立支援等助成金(育児休業等支援コース)

育児休業等支援コースのうち、育休取得時・職場復帰時は、条件に該当する従業員の育休取得時、職場復帰時に申請できます。
事業主は、『育休復帰支援プラン』を作成したうえで、プランに沿って従業員の円滑な育児休業の取得・職場復帰などに取り組む必要があります。

【支給対象となる事業主】
以下のすべてに該当する事業主が対象となります。
●中小企業事業主であること。
●育児休業(育児・介護休業法第2条第1号に規定するものに限る)の制度および育児のための短時間勤務制度(育児・介護休業法第23条に規定するものに限る)について、対象労働者の育児休業(産前休業の終了後引き続き産後休業および育児休業をする場合には、産前休業。また、産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業)を開始する前に労働協約または就業規則に規定していること。育児・介護休業法への委任規定では当該制度を規定しているとは判断されません。また、当該規定は支給申請日において施行されている育児・介護休業法に定める水準を満たしていること。育児休業に関わる手続きや賃金の取り扱い等について、労働協約または就業規則に規定され、対象労働者の育児休業においても、その規定する範囲内で運用していること。
●一般事業主行動計画を作成し、その旨を都道府県労働局に届け出ており、申請時において当該行動計画が有効なものであること。また、当該一般事業主行動計画を公表し、労働者に周知させるための措置を講じていること。ただし、次世代育成支援対策推進法第15条の2に基づく認定を受けた事業主を除く。

【育休取得時の主な支給要件】
●育児休業の取得、職場復帰について『育休復帰支援プラン』により支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知する。
●育児に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録したうえで育児の状況や今後の働き方についての希望等を確認し、プランを作成する。
●プランに基づき、対象労働者の育児休業(産前休業から引き続き産後休業および育児休業をする場合は、産前休業)の開始日の前日までに、プランに基づいて業務の引き継ぎを実施し、対象労働者に、連続3カ月以上の育児休業(産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合は、産後休業を含む)を取得させる。

【職場復帰時の主な支給要件】 
育休取得時の助成金支給対象となった同一の労働者に対し職場復帰時の支給申請を行う場合は、以下のすべての取り組みを行う必要があります。
●対象労働者の『育休復帰支援プラン』に基づく措置を実施し、職務や業務の情報・資料の提供を行う。
●育休を取得する同一の対象労働者に対し、育児休業終了前にその上司または人事労務担当者が面談を実施し、面談結果を記録する。
●対象労働者を、面談結果を踏まえ原則として原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険被保険者として6カ月以上継続雇用する。

【支給額】 
(1)育休取得時 28.5万円〈36万円〉
(2)職場復帰時 28.5万円〈36万円〉
※(1)は、1事業主2人まで支給(無期雇用者1人、有期雇用者1人)
※〈 〉内は生産性要件を満たした場合の助成額

これ以外にも、細かい条件がありますので、詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。
出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html


※本記事の記載内容は、2022年12月現在の法令・情報等に基づいています。