社会保険労務士法人長谷川社労士事務所

積極的に中途採用に取り組む事業主に対して助成!

22.09.13
ビジネス【助成金】
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少子化が進む日本では新卒人材の確保が年々難しくなっており、中途採用に目を向ける企業が増えています。
その一方で、中途人材であることが理由で、雇用先が見つからない求職者も少なくありません。
そうしたなか、中途採用の拡大を図る取り組みをおこなっている事業主を後押しし、転職や再雇用の機会を広げることを目的に設置されたのが『中途採用等支援助成金』です。
今回は、その概要を解説します。
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中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)

【主な支給要件】
中途採用等支援助成金は、中途採用者をどのように採用したかによって受けられる助成金の種類が異なります。中途採用者の雇用管理制度を整備したうえで、
A:中途採用率の拡大
B:45歳以上の方の初採用
C:情報公表・中途採用者数の拡大
の措置を行った事業主に対して『中途採用拡大助成』を行います。
また、助成された事業主のうち、生産性が向上したと認められた事業主は、追加で『生産性向上助成』を受け取ることができます。
A~Bのいずれかの条件で申請する場合、共通して以下の取り組みなどを実施する必要があります。

(1)中途採用計画の策定
ア:中途採用者の雇用管理制度を整備するものであり、中途採用者に適用される募集・採用以外の雇用管理制度が、新規学卒者等に適用されるものと同じであること
イ:中途採用計画期間内の中途採用の拡大について計画していること
(2) 中途採用計画を含めた各種申請書類を管轄の労働局へ提出していること
(3) 中途採用計画期間内に採用した支給対象者を、支給決定日までに事業主都合により解雇等(退職勧奨を含む)していないこと

以上に加えて、A、B、Cそれぞれの条件で、以下の要件を満たす必要があります。

A.中途採用率の拡大
・中途採用計画が原則1年間であること
・計画期間中に、支給対象者を2人以上雇い入れること
・計画期間中の中途採用率から、計画開始日の前日から過去3年間の中途採用率を減じた値を20ポイント以上とすることなど

B.45歳以上の方の初採用
・中途採用計画が1年以下で、事業主が定める期間であること
・計画期間中に、支給対象者を1人以上雇い入れることなど

C.情報公表+中途採用者数の拡大
・計画期間中、中途採用にかかる定量及び定性情報を公表すること
・中途採用計画が1年以下で、事業主が定める期間であること
・計画期間中に、支給対象者を10人以上(中小企業事業主は2人以上)雇い入れることなど

C.の要件にある情報公開とは、以下の(ア)から(ウ)をインターネット等を利用して公表することが該当します。
(ア)事業所の直近3事業年度における各年度の、採用した正規雇用労働者数の中途採用率
(イ)事業所の直近3事業年度における各年度の、中途採用に関する定量情報
(ウ)事業所の中途採用に関する定性情報

【対象となる事業主】
本コースを受給するためには、あらかじめ定められた要件に該当している事業主であることが必要です。

(1)支給対象者に対する賃金を支払期日までに支払っていること
(2)事業所において、定められた書類を整備、保管している事業主であること
(3)中途採用計画の提出の日の前日から起算して6か月前の日から支給申請書の提出日までの間(基準期間)に、労働者を解雇等(退職勧奨を含む)していないこと
(4)基準期間に、雇用保険法第 23 条第1項に規定する理由の一部で離職したとして雇用保険失業給付の手続きをとった労働者が、中途採用計画の提出日における雇用保険被保険者数に対して6%を超えていないことなど

上記のほかにも、それぞれの措置に応じた条件があるので、詳細の確認が必要です。

【助成額】
A:中途採用率の拡大
中途採用率を計画期間から20ポイント以上向上させた場合/50万円
40ポイント以上向上させた場合/70万円
これまで中途採用を行ったことがない場合/上記に加えて10万円
※ポイントの算出方法については別途確認が必要です。

B:45歳以上の方の初採用
1事業所あたり/60万円または70万円
※支給申請日において継続して雇用されている支給対象者の中に、雇い入れ時の年齢が60歳以上であって、かつ雇い入れ日から6カ月以上経過している労働者がいる場合、70万円を支給

C:情報公表・中途採用者数の拡大
中途採用者数拡大助成/1事業所あたり30万円
定着助成/上記に加えて1事業所あたり20万円

●生産性向上助成
A.中途採用率の拡大/1事業所あたり25万円
B.45歳以上の方の初採用/30万円
C.情報公表・中途採用者数の拡大/1事業所あたり15万円

【申請の流れ】
助成対象となる方を雇い入れる前に、中途採用計画の作成・提出が必要になります。
1.中途採用計画の作成(条件Cは情報の公表)
2.中途採用計画を労働局へ提出
3.中途雇用者の雇用管理制度の整備+対象となる方の雇い入れ
4.助成金支給

これ以外にも、細かい条件や必要な書類等がありますので、詳細は厚生労働省ホームページやパンフレット等でご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html


※本記事の記載内容は、2022年9月現在の法令・情報等に基づいています。