社会保険労務士法人長谷川社労士事務所

ユーザーとの『会話』を実現するカンバセーションマーケティング

21.12.07
ビジネス【マーケティング】
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カンバセーションマーケティングとは、『会話型マーケティング』とも呼ばれ、企業がSNSやオウンドメディア、自社Webページのチャットや対面型のイベントなどを通じてユーザーと会話や意見交換を行い、ユーザーと商品やサービスについて、対話や意見交換をしていくマーケティング手法のことです。
広告やキャンペーンなど一方通行のものではなく、企業とユーザーが双方向で迅速にやり取りするのが特徴です。
今回は、顧客とのコミュニケーションを通じて、市場を知ることができる、カンバセーションマーケティングについて説明します。
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ユーザーはスピーディーな対応を求めている

TwitterやInstagramなどを活用するマーケティング施策が普及してきた現在、消費者がいま求めている商品やサービスのトレンドをキャッチすることが可能になりました。
従来のように、顧客にアンケートを配布し、何カ月もかけて回収し、市場調査をおこなう方法では、顧客の現在のニーズをとらえるには時間がかかりすぎてしまいます。
いかにユーザーのニーズを迅速に商品開発につなげられるかを考えると、垣根が低く、よりユーザーの実感に近い意見が得られるカンバセーションマーケティングは、従来の方法に比べて有利といえるでしょう。

ユーザーが企業に連絡を取った際、30分以内にレスポンスがないと、ユーザーの3割はその企業に不信感を抱くといわれています。
ユーザーに対して、いかに迅速にレスポンスできるかは、マーケティング施策のなかでも重要なポイントを占めます

これまで、クレーム処理やカスタマーサポートであれば、ユーザーとの双方向的な会話をする機会を設ける企業もありました。
しかし、商品やサービスについて、企業とユーザーが対話する機会は、あまりありませんでした。

また、24時間体制での対応は難しく、通常は、その企業の営業時間内に限った受付であることが多いようです。
しかし、インターネット社会となった今は、企業がユーザーと直に対話する機会も増えました。
それゆえに、そこから吸い上げた意見をマーケティングに生かすことも可能になったのです。


チャットボットで24時間迅速な対応を実現

カンバセーションマーケティングで重要なのは、『24時間対応』と『レスポンスのスピード』です。
これら2つを実現するのに、チャットボットは最適なツールといえます。

チャットボットとは、人工知能を使った双方向の会話プログラムです。
少し前までは、あらかじめプログラムされた一定のパターンでしか対応できないものがほとんどでしたが、AI技術の発展とともに、人間と変わらない、きめ細やかな会話ができるまでに進化を遂げています。

対話、という言葉のイメージからは、やや遠いもののように思われるかもしれませんが、実は、現在、行政や医療機関、インフラや金融機関まで、一般企業に留まらずさまざまな組織のインターネットサービスに活用されており、今後も採用数は増加する見込みです。

では、具体的な活用例をみてみましょう。
たとえば、株式会社SHIBUYA109 エンタテイメントは、東京・渋谷で運営するファッションビル『SHIBUYA109』と『109MEN’S』の公式LINEアカウントにおいて、自動接客チャットツール『WazzUp!(ワズアップ)』を導入。
ショップ検索・商品検索・施設案内・営業時間などの案内をはじめとしたさまざまな機能を利用でき、ユーザーはリアルタイムで情報を得ながらショッピングをすることができます。

旅行会社のCROOZ TRAVELISTでは、チャットで旅行の希望地や日程を書き込むと、その条件に適した航空券やホテル情報を提示してくれ、お勧めの観光スポットやレストラン、レンタカーやアクティビティ情報なども相談できるチャット型接客サービスを展開。
ユーザーは、気軽に旅行相談ができるようになりました。

現在、『Chat Dealer(チャットディーラー)』や『Chamo(チャモ)』、『Support Chatbot(サポートチャットボット)』など、さまざまな特徴を持つチャットボットがリリースされており、企業の選択肢も広がっています。

大切なのは、これらのチャットボットを活用しつつ、対応しきれなかった場合に、顧客を放置しないよう、SNSや電話などで対応する体制も構築しておくことです。

企業の意に沿った返答を実現できるため、チャットボットの活用はカンバセーションマーケティングの実施には欠かせませんが、一方で、対処できない予想外の対応を迫られる場面も出てくるでしょう。
その際には、人間が顧客対応することでコミュニケーションをとっていく必要があります。

基本的にはチャットボットに任せ、重要な場面では有人で対応するのが、レスポンスの速度とコスト面を両立する方法だといえるのではないでしょうか。

ユーザーとの対話を商品の購入につなげたり、開発に活かしたりできるカンバセーションマーケティングは、インターネットユーザーが増え、人工知能も発展している今の時代に合った、新しい手法といえるでしょう。


※本記事の記載内容は、2021年12月現在の法令・情報等に基づいています。