社会保険労務士法人長谷川社労士事務所

困ったときは利用するべき? 確定申告の代行依頼

21.11.22
ビジネス【税務・会計】
dummy
会社経営者や個人事業主が納税額を算出するために必要な確定申告ですが、いろいろと手間がかかるため、ついつい後回しになってしまいがちです。
どうしても時間がとれなかったり、書類作成の仕方がわからなかったりする場合は、専門家に確定申告の代行を依頼するのも選択肢の一つです。
そこで今回は、専門家に確定申告の代行を依頼するメリットについて紹介します。
dummy
確定申告の代行を頼めるのは税理士だけ?

確定申告の申告時期は、個人事業主の場合、2月16日から3月15日までの1カ月間となります(2020年と2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で期間が延長)。
この期間内に、申告書を作成して所轄の税務署に提出する必要があります。

法人の場合は、決算日でもある事業年度終了日の翌日から2カ月以内に法人税の確定申告を行います。
決算日は、会社の設立時に自由に決めることができますが、3月31日や12月31日にするのが比較的多いようです。

個人事業主や法人の経理担当者にとって、確定申告はとても手間のかかる大仕事です。
会計ソフトを使えばある程度は自動化できますが、それでも時間を取られることに変わりありません。
特に零細企業においては経営者が経理担当者を兼任することもあり、確定申告の作業に本業の時間がとられてしまうことも少なくないでしょう。

確定申告は、申告の期限が定められています。
もし期限に間に合わないようであれば、最初から専門家である税理士に確定申告の代行を依頼するのも一つの手です。

確定申告の代行を含む税務書類の作成や税務相談などの業務は、税理士業務と呼ばれ、税理士だけに認められた独占業務です。
税理士以外が税理士業務を行うことは、税理士法第52条によって禁止されています。
ただし、公認会計士と弁護士だけは、税理士登録を行うことによって、税理士業務を行うことが認められています。
通常、税理士になるには税理士資格を取得し、さらに税理士登録をする必要があります。
公認会計士と弁護士は、それぞれの資格を取得した際に税理士資格も付与されるため、税理士登録を行うことによって、税務調査の立ち合いや申告代行といった税理士業務も行えるようになるというわけです。

つまり、確定申告の代行を考える場合は、税理士か、もしくは税理士登録をしている公認会計士か弁護士に依頼することになります。


確定申告の代行申告を依頼するメリット

税理士に確定申告の代行を依頼するメリットは、確定申告に費やす時間や手間を大幅に削減できることや、決算や帳簿の内容を細かく検分し、税法に沿って正しい申告を行ってもらえるところにあります。

提出した申告書に誤りがあった場合、税務調査が入る可能性もありますし、ペナルティとして加算税や延滞税などが課されることもあります。
しかし、税務の知識を有するプロフェッショナルに任せることによって、こうした心配はなくなりますし、申告書の信頼性は大幅にアップします。

そして、万一税務調査が入ってしまった場合には、税理士が対応してくれるのもメリットです。
もちろん、日頃から領収書や請求書、伝票等はきちんと管理しておくことが大切なのは、いうまでもありません。

事業が小規模なうちは、帳簿の作成や確定申告もそこまで大変ではありませんが、規模が大きくなるに従って、手間や煩雑さは増していきます。
個人事業主のときは自分で行い、法人化した段階で税理士などの専門家に依頼するケースは少なくありません。
確定申告は毎年のことです。
自身の申告書作成に割ける時間や作業量のバランスを見ながら、依頼すべきかどうかを考えましょう。


※本記事の記載内容は、2021年11月現在の法令・情報等に基づいています。