アーチ社会保険労務士事務所

優秀な人材をピックアップ! 書類選考する際のチェックポイント

23.01.23
ビジネス【人的資源】
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人手不足や人材難が深刻な企業にとって、関心を抱いてくれた求職者はたいへん貴重な存在です。
しかし、書類選考を行う際、年齢や学歴、職歴など、つい文字通りの情報や先入観で見てしまいがちです。
では、企業が本当に欲しい人材を採用するために、重視するべきポイントはどのような点でしょうか。
その人の持つ可能性を見落とさず、活躍の道筋をつけることができれば、場合によっては面接・採用へと進める人材を増やせるかもしれません。
今回は、企業の採用を成功させるために必要な書類選考のチェックポイントを紹介します。
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効率的な絞り込みを!書類選考が担う役割

まず、人材の募集をかける前に、準備しておきたい確認事項が二つあります。

まず一つ目が、欲しい人材像の言語化です。
採用活動には、営業活動やマーケティングなどと同じように、具体的なターゲットの設定が欠かせません。
どのようなスキルや経験、可能性を持った人材を獲得したいのか、明確にする必要があります。

・資格
・スキル
・経験
・ビジョン
・価値観
・人柄
・心構え

応募者がどのような人物なのかを見極めやすくなるほか、採用後のミスマッチ防止につなげるためにも、上記のような条件を言語化しておきましょう。

二つ目が、求める条件の優先度の決定です。
採用条件のうち、最も重視したい条件は何でしょうか。
数多くの希望を掲げても、すべての条件を満たす人はなかなか現れないのが現状です。

・3年以上の実務経験→2年でもOK
・TOEIC700点以上→必須
・マネジメント経験→なくてもよい
・デジタルスキル→実務経験あれば可

このように、条件の優先順位や、すべての条件は合わずとも、調整が必要となった際の代案を具体的に決めておくことが大切です。
現場からの声を把握し、その期待に応えられる求人条件を整理しておきましょう。

そして、応募者の数が集まったら、いよいよ人材の選定です。
求人サイトなどへの掲載という採用フローを想定した場合、一般的には以下のような手順で選考を進めていきます。

・書類選考
・一次面接
・二次面接
・採用

そのなかで最初に行う書類選考には、主に「応募者を絞り込む」「配属先を調整できるか検討する」といった二つの役割があります。

書類選考時の書面には個人の基本的なデータしかありませんが、その書類一枚からでも、応募者の将来に向けたビジョンや性格、そしてスキルといった人材像が垣間見えるものです。
たとえば、書類の書き方から、基礎的な文書をつくる力や事務的スキル、説明能力が確認できます。

欲しいと思う人材を確実に獲得するためには、書類からさまざまな情報を確実に読み取ることが大切です。


人材を見極める!書類のチェックポイント

それでは次に、書類にある情報のなかから、ニーズに合う人材を見極めるためのチェックポイントを紹介します。

【ケース1. 未経験者(主に新卒・若手既卒者)】
未経験者の書類では、次のようなポイントをチェックします。

・ビジネスマナー
・文書作成スキル
・志望動機と心構え
・自己PR

ビジネスマナーや文書作成スキルは、社会人としての必須条件です。
矛盾するような記載がないか、正しい日本語が使えているかどうかなど、全体的なバランスや読みやすさを確認しましょう。
特に、志望動機や自己PRは、その人の仕事に対する心構えや人柄がにじみ出やすい項目なので、どのような意図で応募してきたのか、きちんと理解する必要があります。

また、まったくの未経験者ではない、新卒採用から2~3年程度勤務して転職活動を行っている第二新卒や若手既卒者の書類では

・前職の業務内容や在籍年数
・転職する理由
・仕事に対する姿勢

このようなポイントをチェックします。
より詳しい情報を知りたい場合は、履歴書とは別に職務経歴書などの書類を用意してもらってもよいでしょう。

【ケース2. 経験者(中堅やベテランの中途採用)】
同一業界や業種、職種等の経験者に対しては、前項に加えて次のようなポイントを確認します。

・業務に関係する資格やスキル
・前職での経験
・希望する年収とその理由

未経験者とは異なり、これまで培ったスキルや実務経験を重点的にチェックします。
たとえこちらの希望条件と完全に一致しない経歴であったり、ブランクがあったりしたとしても、人材育成の方法によっては活躍が期待できるかもしれません。
先に決めておいた優先条件と照らし合わせ、将来に向けた可能性を見極めていきましょう。

また、応募者のさまざまな本音をうかがうことができるのが、年収の希望額です。
多い場合も少ない場合も、背景には何らかの理由があるはずです。
本人のビジョンやプライベートの変化など、採用後のミスマッチを減らすためにも注意して確認する必要があります。

書類選考を終えたら、面接担当者に、書類での印象や詳しく聞いてみたい事項などを整理して伝えておきましょう。

書類選考は、将来を担う人材と初めて向き合う重要なステップです。
先入観に縛られてしまい、必要な人材を取りこぼすことがないよう、応募書類を入念に読み込み、求める人材の獲得につなげましょう。


※本記事の記載内容は、2023年1月現在の法令・情報等に基づいています。