山内経営会計事務所

ブランディングにも効果的! コンテストに挑戦するメリット

23.08.01
業種別【美容業】
dummy
毎年、美容師や理髪師、美容学生などを対象としたさまざまなコンテストが開催されています。
美容室に在籍しているスタッフにとっては、コンテストの成績がそのまま自分の実績となり、店にとっても集客のための大きなアピールポイントになります。
また、スタッフのキャリアアップやモチベーションの向上にもつながるでしょう。
美容師向けのコンテストに参加するメリットや、コンテストの種類などについて説明します。
dummy

美容師が参加できるコンテストの種類

美容師を対象としたコンテストの多くは広く門戸を開いています。
個人オーナーであっても、フリーランスの美容師であっても、特定の美容室に所属している美容師であっても、原則美容師免許を取得していれば参加することができます。

通常、美容師が参加できるコンテストは、団体・組合が主催しているものと、企業が主催しているものに分けることができます。

団体・組合が主催しているコンテストでよく知られているのは、全日本美容業生活衛生同業組合連合会による『全日本美容技術選手権大会』です。
厚生労働省の後援によって1962年から開催されている歴史ある大会で、全国47都道府県から選ばれた美容師がヘアスタイル競技、カット&ブロー競技、フリースタイルカット競技のいずれかでその腕を競い合います。
この大会は、日本でも最大級の規模と参加人数を誇る大会ということもあり、入賞することができれば大きな実績となるのは間違いないでしょう。

ちなみに、フランス・パリに本部を置く世界理美容機構(Organisation Mondiale Coiffure 略称OMC)による世界的な大会『世界理美容技術選手権大会』の、2022年に行われたパリ大会では、日本代表チームが団体、個人あわせて5つの金メダルを獲得しました。

企業が主催しているものでは、美容室のヘアケア用品を取り扱う企業が自社製品を告知するために開催しているコンテストや、自社のブランディングのために行っているコンテストなどがあります。
一般的には、多数の部門に分かれて開催され、参加したい部門に、参加費を支払って出場することになります。

近年は、InstagramなどSNSの隆盛と共に写真投稿型のフォトコンテストも増えてきており、その場でカットしたり、アレンジしたりすることなく、自分の考案したヘアスタイルを写真に撮って送るだけでエントリーできる手軽さや敷居の低さから人気を博しています。

ただし開催されるコンテストのなかには、取引関係にあるサロンの美容師に限るなど、一定の条件を定めているコンテストや、美容専門学校やメイクアップスクール、理美容学校連盟などが主催している学生に向けたコンテストなど、参加できる美容師が限定されているものもあるため、募集要項など必ず確認しておきましょう。

実績で店の知名度と集客力がアップ

コンテストへの参加は美容師の意思によるものであり、店側が参加を強制することはできません。
しかし、参加を促すことはスタッフのためでもあります。

コンテストの参加で美容師が得られる最大のメリットは、技術のスキルアップです。
何よりも技術が物を言う職業だけあり、コンテストに向けた技術の研鑽は、たとえ入賞しなくても、そのスタッフにとっては大きな経験になります。
緊張感のあるコンテストという舞台を経験することは、周りや自身のレベルを客観的に知る機会になり、将来的なキャリアップにもきっと役に立つはずです。
コンテストに出場することで、これまで以上の成長を望むことができるでしょう。

また、コンテストは参加するほかの美容室の美容師はもちろん、審査員やヘアケア用品の社員、団体の関係者など、非常に多くの人間が携わっています。
コンテストに参加することで、人脈を広げることにもなるでしょう。

そして、何よりコンテストへの参加は、美容室の大きなPRにもなります。
コンテストの入賞歴は店にとってよい宣伝となり、顧客の安心と信頼を得るための材料となります。
コンテストの入賞者がいるだけで、店自体の評価も向上し、結果的に集客につながる可能性もあります。
『入賞者を輩出したサロン』という実績は、とても価値のあるものだからです。

場合によっては、コンテストの入賞者に顧客が偏る可能性もありますが、同僚や後輩など他の美容師への期待値も向上しているため、多くは一時的なもので総数としての顧客数は増えていくでしょう。
コンテストの入賞は店側からSNSなどで発信する以外にも、口コミやメディアなどによる拡散効果も期待できます。

集客の大きな力になるコンテストについて、まずは全体ミーティングなどで周知を図り、美容師自身が成長するきっかけとなるなど、コンテストに参加するメリットなども説明したうえでスタッフに参加の意思を確認しておきましょう。


※本記事の記載内容は、2023年8月現在の法令・情報等に基づいています。