山内経営会計事務所

ユーザーへの訴求力が高い『チュートリアル動画』とは

23.07.25
ビジネス【マーケティング】
dummy
大勢のユーザーに訴求できる動画コンテンツマーケティングを導入する企業が増えています。
多くの企業が動画サイトのYouTubeなどで、商品のCMからインフルエンサーとのコラボムービーまで、さまざまな動画を配信しています。
そのなかで近年よく見るのが、商品の使い方やサービスの利用方法などを短くまとめた『チュートリアル動画』です。
『ハウツー動画』や『マニュアル動画』とも呼ばれるこれらの動画は、ユーザーの認知獲得に役立ち、購入動機になることもあります。
今回は効果的なチュートリアル動画について紹介します。
dummy

チュートリアル動画を配信する利点とは

チュートリアル(tutorial)とは『個人指導』や『指導書』と訳される英単語で、一般的には、基本的な操作方法や操作手順などを教えるための教材のことを指します。

つまりチュートリアル動画は『動画による教材』であり、マーケティング用語としては、商品やサービスの使用方法などをわかりやすく解説している動画という意味になります。
従来の紙製の説明書よりも直感的にユーザーに使用方法を伝えられるため、複雑な機構や内容でも理解してもらいやすいという特徴があります。
そのため、使用方法がわかりづらい新しいサービスや商品と相性がよいといえるでしょう。

チュートリアル動画は、あくまで商品やサービスの使用方法をユーザーに伝える目的でつくられるものです。
一方で、一定数のユーザーは商品やサービスを購入する検討段階でチュートリアル動画を試聴しており、これは商品の購入前の認知獲得に大きな効果があることを証明しています。
実際、約4割のユーザーが商品やサービスの購入を検討する際に、その商品やサービスの関連動画を試聴するというデータもあり、使用方法を伝える以上の効果を生み出しているのです。

スマートフォンやタブレットなどの浸透や通信環境の向上によって、ユーザーは場所や時間を気にせず、自由に動画を試聴できるようになりました。
自宅での視聴だけでなく、たとえば家電量販店の売り場で、メーカーのチュートリアル動画を試聴しながら商品サンプルに触れることも可能です。

ほかにも、紙製の説明書のように印刷・封入・保管・配布といった作業や管理の手間がないのもメーカーにとってメリットです。
ただし、場合によっては紙製の説明書より制作コストが高い、新しい情報を追加・更新する際に時間や手間がかかる、といったデメリットもあるため、動画を作成する際は事前にしっかりと計画を練ることが大切です。

効果的なチュートリアル動画の特徴

それでは、チュートリアル動画の作成ポイントについて、具体的に見ていきましょう。

訴求力が高いチュートリアル動画は、短い時間で端的にまとめられている傾向があります。
Google JapanがAndroidの使い方の一例として配信している動画『コマ撮りアニメのつくり方』は、わずか38秒ながらもわかりやすく編集されています。
Androidの訴求にもなるこの動画は、約650万回以上の再生を記録し、多くの人々に視聴されています。
教材動画を作成する際には、参考にしてみてもよいでしょう。

「Android:コマ撮りアニメのつくり方」
Google Japan

まず、チュートリアル動画を作成する際には、ユーザーがどのような情報を求めているかを把握し、テーマを絞ることが重要です。
ホームセンターのコメリは、床下で基礎として建物を支える束石を扱った動画『束石の使い方』を配信し、マニアックな内容にも関わらず、140万回近くの再生数を記録しました。
店舗を運営する企業側が、来店客のニーズを理解していた好例といえます。

「束石の使い方【コメリHowToなび】」
コメリ

また、テロップやアイコン、イラストなどで動画の内容を補足するのも効果的です。
電機メーカーのパナソニックは、家庭用散髪器具『カットモード』の使い方を紹介した動画『カットモード商品紹介ショートスタイル篇』を配信しています。
こちらの動画は、視聴者が動画を見るだけでヘアカットを実践できるようにレクチャーする内容で、ナレーションとあわせてテロップや矢印などをうまく使い、初心者にわかりやすくまとめています。
商品を使用しながら見る動画として、50万回以上の再生数となりました。

「カットモード商品紹介ショートスタイル篇 【パナソニック公式】」
Panasonic Japan

より優れたチュートリアル動画をつくるためには、素材や音楽、再生スピードやアスペクト比など、気を配るべき要素が複数あります。
企業が自社でチュートリアル動画を制作する場合は、コストやノウハウに限りがあるため、一般的には動画制作会社に依頼するのが多いといえます。
その際、マーケティング担当者は、動画のテーマやコンセプトを動画制作会社に正確に伝え、効果的な動画を作成できるよう進めることが大切です。

さまざまな企業のチュートリアル動画を参考に、自社の商品やサービスを簡潔かつ幅広い層に訴求できる方法を考えてみましょう。


※本記事の記載内容は、2023年7月現在の法令・情報等に基づいています。