山内経営会計事務所

ヴィジョンを浸透させようとしてはいけない。

22.07.05
チームビルディング
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異業種交流会での失敗

先日、異業種交流会の講演会づくりで大失敗をしました。


その会では、
メンバーで話し合いながら
講演会を作っていきます。

テーマや学ぶ目的を決め、
それにふさわしい講師(経営者)のお話を聞くのです。


今回は、私が講演会づくりのリーダーです。

講演会の実施に向けて、
毎月の役員会で承認を得る必要があるのですが、
テーマや学ぶ目的について、
合意形成が上手くいかず、
役員会の承認がなかなか得られません。

計画からは1月ほどの遅れが出ています。
なぜ、私はうまくいかなかったのでしょう?
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私が今回学びたいと考えているのは、
SDGsについてです。

自社の発展を考えるのにあたり、
時代の流れを学ぶことは重要であり、
SDGsを経営に落とし込んで実践している
経営者のお話を聞きたいと考えました。


講師の候補となる経営者のお話を伺いにいき、
ますます、これはメンバーのみんなも聞きたい内容になるハズだ!

と確信して、役員会に諮ったのですが、
会議は紛糾してやり直しとなりました・・・。


今回、私が特に失敗したのは、
講演会で学ぶ目標を高く掲げすぎたことと、
期日に向けて早くやらなければという焦りです。


私は、その目標を掲げることが、
参加者の学びに繋がると考えていました。


しかし、人はそれぞれ違います。

それぞれの経営ビジョンや事業の環境、
SDGsに関する認識、
その異業種交流会で学ぶ意義。

物の見方や考え方が異なります。


会議の場で話し合えば、
その認識の違いは埋められる!
と考えていたのですが、
結局その違いは埋められませんでした。


役員会で承認されなかったので、
内容を練り直す必要があります。

このままでは、
自分の聞きたい内容の講演会じゃなくなるかもしれない・・。

モヤモヤと考えているとき、
ふと気づいたのです。


これって、経営者が、
高い目標やヴィジョンを掲げて上手くいかないときと
同じじゃないか!?



高い目標・ヴィジョンは浸透させてはいけない!

私を含め経営者は、

・社員に良い生活をしてもらいたい!
・仕事を通じて充実した人生を送ってもらいたい!
・従業員に自律的に動いてもらいたい!

と考え、高いヴィジョンを掲げ、従業員に目標を与えます。


しかし、人は基本自分のやりたいことしかしません。

会社のヴィジョンと自分のやりたいことであれば、
一生懸命仕事をします。

例えば今回、
私が自分の聞きたい内容の講演会を作るために、
時間を使ったように・・・(笑)


しかし、
会社のヴィジョンと自分のやりたいことが同じなのは、
会社で社長ひとりです。

社長は会社のヴィジョンと自分のやりたいことが同じなので、
つい、従業員も同じだと考えますが、
社員には社員のヴィジョンとやりたいことがあります。


社員にとって、会社のヴィジョンは他人のヴィジョンです。

会社のヴィジョンを浸透させるというのは、
他人のヴィジョンを押し付けるということです。

人は、コントロールされるのを嫌がるので、
これではうまく行きません。

社長が、
いい会社にしようとすればするほど、
抵抗されるようになるのです。



本当に必要なのは共通ヴィジョンをつくること

共通ヴィジョンとは、
経営者も従業員も「いいね!」と思えるヴィジョンです。

ともに「いいね!」と思える共通ヴィジョンのもと、
お互い協力するという組織を創れば、
上手く行くのですが・・・

関単にはできません。

特に、人数が多くなってきて、
社長と従業員の距離が離れてくると、
さらに難しくなってしまいます。


異業種交流会のメンバーは、
全員が会社経営者です。

私のやりたいことと、
メンバーのやりたいことは、
業種も仕事の状況も違うので、
当然別々です。


共通のヴィジョンを描くのは、
そんなに簡単じゃありません。


今回、
役員会という期日があったので、
その前の会合で、
「メンバーのやりたいこと」を
十分に聞けていなかったな・・。

共通ヴィジョンを作るには、
結局、時間を使って、
メンバーが「いいね!」と思えるヴィジョンを
聞いていくしかないのです・・

時間がかかって大変ですよね!


普段私がコンサルの現場に入るときは、
ヴィジョン共感ワークなどを使って、
時間をかけながら共通ヴィジョンを作っていきます。

共通ヴィジョンづくりに興味がある方は、
お声がけください。