山内経営会計事務所

高年齢者、障害者などの就職困難者を雇用する事業主を助成!

21.06.08
ビジネス【助成金】
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厚生労働省は、就職困難者を雇い入れた事業主への支援などを目的として、さまざまな助成金を用意しています。
そのなかの『特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)』は、高年齢者、障害者、母子家庭の母などの就職困難者を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等からの紹介により、継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成金が支給される制度です。
今回は、この制度の概要を説明します。
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特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

【主な対象事業主】
以下のすべてに該当することが必要です。
(1)雇用保険の適用事業主であること
(2)対象労働者をハローワークまたは民間の職業紹介事業者等からの紹介により、雇用保険の一般被保険者として雇い入れる事業主であること
(3)対象労働者を雇用保険の一般被保険者として継続して雇用(65歳以上に達するまで・2年以上)することが確実であること
(4)雇入れ日の前後6カ月間に事業主の都合による従業員の解雇をしていないこと

このほかにも、いくつかの要件を満たす必要があります。

【主な対象労働者】
下記に該当し、雇入れの日の満年齢が65歳未満の方が対象となります。
(1)60歳以上の高年齢者
(2)身体障害者
(3)知的障害者
(4)精神障害者
(5)母子家庭の母等
(6)父子家庭の父(児童扶養手当を受給している方に限る)
など

【主な支給要件】
以下のいずれも該当しないことが受給するための要件となります。
(1)ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等からの紹介以前に雇用の予約があった対象労働者を雇い入れる場合
(2)職業紹介を受けた日に雇用保険の被保険者である者など、失業等の状態にない者を雇い入れる場合
(3)助成金の支給対象期間の途中または支給決定までに、対象労働者が離職した場合
(4)雇入れ日の前日から過去3年間に、当該雇入れにかかる事業所と雇用、請負、委任の関係にあった者、または出向、派遣、請負、委任の関係により当該雇入れにかかる事業所において就労したことのある者を雇い入れる場合
(5)雇入れ日の前日から過去3年間に、当該雇入れにかかる事業所において、通算3カ月を超えて訓練・実習等を受講等したことがある者を雇い入れる場合

このほかにも、いくつかの要件を満たす必要があります。

【支給額】
賃金の一部に相当する額として、下記の金額が、支給対象期(6カ月)ごとに支給されます。
(1)短時間労働者以外
ア.高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等
支給額:60万円(50万円)
助成対象期間:1年(1年)
支給対象期ごとの支給額:30万円×2期(25万円×2期)
イ.身体・知的障害者
支給額:120万円(50万円)
助成対象期間:2年(1年)
支給対象期ごとの支給額:30万円×4期(25万円×2期)
ウ. 重度障害者等(重度障害者、45 歳以上の障害者、精神障害者)
支給額:240万円(100万円)
助成対象期間:3年(1年6カ月)
支給対象期ごとの支給額:40万円×6期(33万円×3期)※第3期の支給額は34万円

(2)短時間労働者(一週間の労働時間が20時間以上30時間未満の労働者)
ア.60歳以上65歳未満の高年齢者、母子家庭の母など
支給額:40万円(30万円)
助成対象期間:1年(1年)
支給対象期ごとの支給額:20万円×2期(15万円×2期)
イ.障害者
支給額:80万円(30万円)
助成対象期間:2年(1年)
支給対象期ごとの支給額:20万円×4期(15万円×2期)

※( )内は、中小企業以外の企業に対する支給額・助成対象期間です。

【支給申請の流れ】
1.ハローワーク等からの紹介
2.対象者の雇入れ
3.助成金の第1期支給申請
4.支給申請書の内容の調査・確認
5.支給・不支給決定
※第2~6期支給申請も同様の手続きが必要です。

なお、本助成金にはこれ以外にも細かい支給要件がございますので、詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。

出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_konnan.html


※本記事の記載内容は、2021年6月現在の法令・情報等に基づいています。