山内経営会計事務所

有期雇用労働者等に、正社員と共通の諸手当制度を設けた事業主を助成!

21.04.13
ビジネス【助成金】
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『キャリアアップ助成金』は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成する制度です。
このなかの『諸手当制度等共通化コース』では、正規雇用労働者に支給している諸手当を有期雇用労働者等にも適用した場合、または、有期雇用労働者等を対象とする法定外の健康診断制度を新たに規定し、延べ4人以上に実施した場合に助成を受けることができます。
今回は、前者の諸手当制度の適用に関する助成内容について解説します。
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『キャリアアップ助成金(諸手当制度等共通化コース)』

【対象となる事業主】
以下の(1)から(10)までの全てに該当する事業主が対象です。
(1)就業規則等で、有期雇用労働者等に関して、正規雇用労働者と共通の以下のいずれかの諸手当制度を新たに設けたこと。
●賞与
●家族手当
●住宅手当
●退職金(在職年数等に応じて支給される退職金を積み立てるための制度で、積み立て金等の費用を全額事業主が負担するもの)
(2)(1)の諸手当制度に基づき、対象労働者1人あたり以下のいずれかに該当し、6カ月分の賃金を支給したこと。
●『賞与』については、6カ月分相当として5万円以上を支給している
●『家族手当』および『住宅手当』については、1カ月分相当として1つの手当につき3,000円以上を支給している
●『退職金』については、月3,000円以上積み立てをしている
(3)正規雇用労働者にかかる諸手当制度を、新たに設ける有期雇用労働者等の諸手当制度と同時またはそれ以前に導入していること。
(4)有期雇用労働者等の諸手当の支給または積み立てについて、正規雇用労働者と同額または同一の算定方法としていること。
(5)当該諸手当制度を全ての有期雇用労働者等と正規雇用労働者に適用させたこと。
(6)当該諸手当制度を初回の諸手当支給または積み立て後6カ月以上運用していること。
(7)当該諸手当制度の適用を受ける全ての有期雇用労働者等と正規雇用労働者について、共通化前と比べて基本給および定額で支給されている諸手当を減額していないこと。
(8)支給申請日において当該諸手当制度を継続して運用していること。
(9)(1)の『退職金』の適用を受ける場合は、支給決定後に積み立て金等が確認できる書類を提出することに同意していること。
(10)生産性要件を満たした場合の支給額の適用を受ける場合にあっては、当該生産性要件を満たしていること。

【対象となる労働者】
以下の(1)から(4)までの全てに該当する労働者が対象です。
(1)諸手当制度を共通化した日の前日から起算して3カ月以上前の日から共通化後6カ月以上の期間、または雇入時健康診断を受診した日から6カ月以上の期間継続して雇用されている有期雇用労働者等であること。
(2)諸手当制度を共通化し、初回の諸手当を支給した日以降の6カ月間、雇用保険被保険者であること。
(3)諸手当制度を新たに設け適用した事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族以外の者であること。
(4)支給申請日において離職していないこと。

【支給額】
1事業所あたり1回限りとして、以下の額が支給されます。
( )内は、生産性要件を満たした場合の支給額です。
<中小企業の場合>
1事業所あたり:38万円(48万円)
<大企業の場合>
1事業所あたり:28万5,000円(36万円)

また、共通化した対象労働者(2人目以降)について、および、同時に共通化した諸手当(2つ目以降)については、以下の加算額が設定されています。
それぞれ上限は、対象労働者20人まで、4手当までとなっています。
<中小企業の場合>
対象労働者1人あたり:1万5,000円(1万8,000円)
諸手当の数1つあたり:16万円(19万2,000円)
<大企業の場合>
対象労働者1人あたり:1万2,000円(1万4,000円)
諸手当の数1つあたり:12万円(14万4,000円)

【申請手続きの流れ】
1. 申請前にキャリアアップ計画書を提出
2. 諸手当制度の共通化を実施
3. 諸手当制度共通化後の賃金に基づき6カ月分の賃金を支給
4. 助成金の支給申請・審査

なお、本助成金にはこれ以外にも細かい支給要件がございますので、詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。

出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html


※本記事の記載内容は、2021年4月現在の法令・情報等に基づいています。