「思考のクセ」の違いを意識すれば、円滑なコミュニケーションが行えます。
何回言ってもなぜ伝わらないんだ!?
Aさんには上手く指示が伝わるのに、Bさんには伝わらない・・・。
こんなことはありませんか?
部下とのコミュニケーションが上手くいかないのは、
お互いの「思考のクセの違い」を理解していないことに原因があるかもしれません。
今回は、お互いの思考の違いを意識して、
うまくコミュニケーションを取る方法についてお伝えします。
お互いの思考の違いを確認し合うために取っています。
人はお互いの思考の違いを確認することで、
相手の意図を知ったり、思考に共感し、
信頼関係を構築していきます。
お互いの思考が近ければ、「あうんの呼吸」も可能なのですが、
人はそれぞれ違います。
意図が上手く伝わらないのは何故?
なぜコミュニケーションは上手くいかないのでしょうか?それは・・・。
自分を基準にしてコミュニケーションを取っているからです。
「こんなこと言わなくても分かるやん!」
「ふつう、そう捉えるよね!」
自分を基準に考えるから、
わざわざ伝える必要が無いと思ってしまう・・・。
これは、もはや反射なのです。
しかし、
わたしの「ふつう」とあなたの「ふつう」は違うのです。
だから、お互いが違うものだと思って、
コミュニケーションをとる必要があります。
しかし、違う事が分かっても、
「どう違うか?」
が分からなければコミュニケーションは改善しません。
対話を重ねれば、ある程度違いが分かる場合もありますし、
違いを理解する才能がある方も確かにいます。
しかし、日々の仕事に追われていると、
しっかりと違いを把握するのはなかなか難しいでしょう。
(だからみなさん悩んでいるのです)
私は、人と人の違いを理解するために、
効き脳という理論を使っています。
「効き脳」って何?
効き脳は、ゼネラル・エレクトリック社のマネジメント教育の責任者であった、
ネッド・ハーマン氏によって開発されました。
今までに、全世界で200万人以上の診断が行われ、
世界的な大企業においても、
個々のスキルアップやキャリアプラン、
チームビルディングに広く活用されています。
人の思考パターンは、
4つに分けることができます。
効き脳診断によって、
それぞれの思考パターンの「強さ」が
数値で示されます。
最初にも述べたように、
コミュニケーションはお互いの思考の違いを確認することにより、
お互いの意図を知ったり、共感を得るために行います。
相手の効き脳が分かっていれば、
相手に伝わる伝え方をすれば良いのです。
また、お互いの効き脳が違うという前提に立てば、
受け手も、
「それって、こういう事ですか?」
と伝え手の意図を確認することができます。
それでは、効き脳のタイプごとに、
その対応を考えてみたいと思います。
Aタイプ「理論・理性脳」の人
このタイプの人は、頭の回転が速く、理屈っぽい人です。
因みに私もこのタイプ。
頑固で小難しいことを言っちゃうタイプです(笑)
Aタイプの人にしてはいけないことは・・・
- 過度なおしゃべり
- 個人的なフィーリングを押し付ける
- 技術的に不正確なことを言う
- 時間の使い方が非効率
- 事実やデータ不足
- 感情的なアプローチ
- 非論理的なコメント
だから、このタイプの人には、結論から言うようにすると良いです。
「〜だと思います」みたいな言い方はNGです。
回りくどい言い方も避けて下さい。
Bタイプ「計画・堅実脳」の人
Bタイプの人は、段取りや順序通りであることを気にします。
日本人は、外国人に比べて相対的にBタイプの割合が多いとか・・。
Bタイプの人にしてはいけないことは・・・
- 一度に多くのアイデアを出しすぎる
- 現実性に欠ける
- 不真面目なジョークが多い
- とっぴな言葉を使う
- 話の先が予測できない
- 文章が完結しない
- 明確な議題がない
- 話題から話題へと話が飛ぶ
だから、このタイプの人には、一つ一つ順序立って話す必要があります。
話を端折ったりすると話が伝わりにくくなります。
曖昧な表現も避けなければなりません。
Cタイプ「感覚・友好脳」の人
このタイプの人は、人の気持ちや周りの空気を大切にします。
Cだけ強い人は「ほんわか」した雰囲気をもつ傾向にあります。
Cタイプの人にしてはいけないことは・・・
- アイコンタクトがない
- 味気ないまたは冷たく熱意のないやり取り
- 個人的な共感の時間がない
- 直接的すぎる、無神経な会話
- データばかりで理屈のみ
- 話を遮る、無視する
- 認めたり褒めたりが少ない
だから、このタイプの人には、感謝や関心があることを示す必要があります。
理屈ばかりで感情に配慮しないと冷たいとか、怖いと言われてしまいます。
愚痴や不満などの感情も聞いてあげる必要があります。
Dタイプ「冒険・創造脳」の人
このタイプの人は、アイデアが豊富で話が次から次へと飛躍します。
話すときに「擬音語」が多い人は、もしかしたらDタイプかもしれません。
Dタイプの人にしてはいけないことは・・・
- 新しいアプローチへの抵抗
- 安全策または定石通り
- コンセプトや比喩がない
- 数字の羅列でビジュアルがない
- 話が細かすぎる
- ユーモアや面白さがない
だから、このタイプの人には、とにかく話したいように話させてあげることが大事です。
細かい指摘は後回しです。
できるとしたら、どうしたらよいのか?という視点で話を聞くことが大事です。
以上、4つのタイプについて考えてみました。
これを、全部、頭に入れる必要はありません。
おそらく、あなたが上手くいかないパターンは決まっているはずです。
自分が上手くいかないパターンを自覚して、
上手くいかなそうになったら、相手を非難するのではなく、
「違い」が引き起こしていることだと思うようにして下さい。
相手を非難する気持ちがなくなるだけで、
言い方も変わり、相手も変わります。
これが、「人と人の違い」を認める最初のステップです。
人と人の違いを認められるようになると、
コミュニケーションはとても楽になりますし、
生産性も上がります。
もし、あなたや組織の上手くいかないパターンをなんとかしたい。
と考えるのであれば、お声がけください。