山内経営会計事務所

口コミ評価でネガティブコメントをもらわないためには?

20.06.02
業種別【歯科医業】
dummy
スマホを日常的に使う現代、歯科クリニック探しでは多くの患者が口コミを参考にしています。
口コミはクリニック経営に与える影響力が大きく、なかでもネガティブコメントは特に大きな影響力をもっています。
そのため、口コミで高評価を得ることはもちろん大切ですが、ネガティブコメントをゼロにすることも同じくらい重要です。
今回は、新規の患者が「通いたい」と思えるような口コミを得るポイントについて考えてみましょう。
dummy
まずは歯科クリニックのイメージを覆すこと

一昔前の『歯医者』は、決して「積極的に行こう」と思われるような場所ではありませんでした。
子どもは大泣きするし、大人も歯が痛いのを我慢できず、仕方なく行っていたのが正直なところでしょう。
ここ10年程度で『痛くない治療』『ていねいなケア』が定着してきたものの、今でも歯科クリニックには以下のようなマイナスイメージが残っています。

●痛い
●何をされているのかわからない
●長い期間、通わなければならない
●詰めものがよく取れる
●無愛想

また、以前に治療したはずのところが再発し、別のクリニックに行ってみたところ、「前のクリニックできちんと治療できていなかったようだ」と指摘されるケースも多々あるようです。
こういった場合、がっかりしつつも、以前通っていたクリニックに詳細を確認することもなく、新しいクリニックで仕方なく再治療をすることがほとんどではないでしょうか。
こうしたこともまた、患者が歯科治療に対して『わからない』『大変』『長引く』といったイメージをもつことにつながっています。

逆にいうと、これらをくつがえす以下のような治療や対応ができれば、『今どきのよいクリニック』として評価を受けることができます。

●痛くない
●治療のプロセスを説明してくれる
●短期間で治療が終わる
●治療が終われば、メンテナンス以外は行かなくてよい
●治療後にトラブルが起こらない
●気持ちのよい対応

これらを徹底して行うことが高評価を得るポイントです。
とはいえ、最近はこれらを心がけるクリニックも増えてきています。
上記のポイントは『よいクリニック』と認識してもらうために満たすべき条件であって、ほかとの差別化ができるほどの『特徴』とはなりません。

そこで、さらに徹底して取り組むべきなのが、ネガティブコメントを『ゼロにする』ことです。


患者に“ヤブ医者”呼ばわりされないために

クリニックを探している方々は、ネガティブコメントに敏感です。
特に、治療に関するネガティブコメントを見つけると、相当な不安を覚えるでしょう。
これまで評判のよかったクリニックでも、口コミで1件でも“ヤブ医者”といった評価があると、新規の患者の足が遠のいてしまうものです。
これを避けるためにも、次のような点に当てはまっていないか、チェックしてみましょう。

●歯科助手が治療まで行っている
本来は患者に直接処置をすることを禁じられている歯科助手が、歯石をとるなどの歯科衛生士の仕事に従事したり、なかには、歯科医の仕事である、かぶせものの接着まで行ったりしているケースが実際にあります。
歯科衛生士と歯科助手を見分けることはむずかしいですが、処置のクオリティで患者は気づくことがあります。
こうした診療体制で営業をしていると、最悪の場合、検挙の対象にもなりかねません。
そうなると、クリニックの存続すら厳しい状況となります。
「うっかりと違法行為を行ってしまった」ということがないように、クリニックの体制を今一度見直してみましょう。

●歯科衛生士がいない
そもそも、資格者の歯科衛生士よりも賃金が安いという理由で歯科助手しかいないクリニックもあります。
歯科衛生士がいると、そのプロの仕事ぶりに、やはり患者は安心感を覚えるものです。

●治療のデメリットを説明しない
治療には、メリットとデメリットが必ずあります。
特にインプラントなどの高額の自費治療では、デメリットをきちんと説明しておくべきです。
結果的に患者がデメリットを体験した場合、トラブルの原因は歯科医にあるのだと決めつけて、ヤブ医者の烙印を押すかもしれません。

●過剰請求をする
医療費の明細は、一般的にわかりにくいので、ちょっとした加算や指導料をつけて水増し請求するクリニックがあります。
診療報酬の項目をよく見ればわかることなので、そうしたことをすると、ネガティブコメントの材料になってしまいます。

●スタッフの入れ替わりが早い
スタッフの入れ替わりが早い職場は、上司である歯科医の人間性に問題があると思われかねません。
離職率が高い場合は、原因を突き止め、対策を立てていく必要があります。

以上、一つでも心当たりがあれば、いつネガティブコメントをつけられてもおかしくない、要注意状態です。
逆に、これらの問題がないクリニックであれば、ネガティブコメントのリスクは少ないでしょう。
これらは当たり前のことと思うかもしれませんが、『たった一度』でも気が緩むことのないように、常に誠実に治療にあたることが大切です。

ネガティブコメントをゼロにするよう取り組んでいけば、安心できるクリニックとして、新規の患者にも恵まれることでしょう。


※本記事の記載内容は、2020年6月現在の法令・情報等に基づいています。