山内経営会計事務所

患者との距離を縮める『ニュースレター』を発行しよう

19.09.03
業種別【歯科医業】
dummy
リラクゼーションサロンや美容室など、個人を相手にするお店などでよく活用されているニュースレター。
チラシやDMに比べると集客に対する即効性には欠けるものの、ニュースレターにはさまざまな利点があります。 
では、どのような効果が期待できるのでしょうか? 
今回は、歯科クリニックがニュースレターを発行するメリットや、発行する前に決めておきたいことについて紹介します。
dummy
ニュースレターのメリットとは?

ニュースレターとは、定期的に発行する新聞のようなものです。
そのメリットは主に二つあげることができます。
一つは『患者との距離を縮めて定着率をアップさせること』で、もう一つは『クリニック離れをしている人から忘れられないようにすること』です。
たとえば、ニュースレターに院長やスタッフという『人』を登場させてクリニックの雰囲気を伝えることで、読み手に親近感や安心感を伝えることができるでしょう。
また、ニュースレターは作成するコストがそれほど高くありません。
ニュースレターの印刷・封筒にかかる費用・郵送費を合計しても、一通あたりのコストは100円前後です。
クリニックに置いて患者に手渡しするのであれば、さらにコストは安くすむでしょう。

配信設定などが必要なメールマガジンと比べて気軽に手渡せるニュースレターならば、患者にとっても手軽に読めて役立つ情報を仕入れることができるため、双方にメリットがあるといえます。


作成・発行する際の注意点とは?

メリットの多いニュースレターですが、実際にクリニックが発行するときにはどのような視点を持っておくとよいのでしょうか?

まず、患者に長期的に関心を持って読み続けてもらうためには、あまり売り込みをしないことが重要です。
なぜならば売り込みをしすぎると、患者に『宣伝のためのもの=チラシ』だと勘違いさせてしまい、積極的に読んでもらえなくなる可能性が高まるからです。
もしもニュースレターに宣伝を載せる場合でも、ニュースレターそのものが『宣伝のためのもの』と認識されないように工夫することが必要です。

もう一つ押さえておきたいのが、『患者に読ませたいものを、患者が読んでくれるとは限らない』ということです。
たとえば、『歯石がいかに歯にとって害が大きいか』という注意喚起をすることは多くの人のためになることです。
しかし、ニュースレターにそうした注意喚起や知識などを載せれば載せるほど、患者が離れてしまう可能性もあります。
なぜなら、掲載されている情報が専門的な内容に偏りすぎると、患者が読むのを負担に感じてしまうからです。
以上のことを考えると、ニュースレターは気軽に手に取ってもらえるものにしましょう。
役立つ情報、クリニックのスタッフの人となりがわかる情報など、バランスを見ながら、いろいろな情報を載せていきます。
そして、患者の評判を聞きながら調整していくといいでしょう。


作成をスムーズに進めるためには?

ニュースレターをつくるときには、以下にあげる三つのことを決めておきましょう。
そうすることで、作成がスムーズに進みます。

(1)目的
ニュースレターを発行する目的を明確にしておきましょう。
「クリニックの認知度を高めたい」「地域の人とクリニックの距離をもっと縮めたい」「クリニックの売り上げにつながることを最優先にしたい」など、クリニックごとに目的があるはずです。

(2)予算
先ほど、『ニュースレターは一通あたり100円前後のコストですむ』とお伝えしました。
郵送せずに手渡しをすればコストはさらに減りますが、費用がかかることに変わりはありません。
ある程度の予算を決めておきましょう。

(3)発行頻度
ニュースレターは、患者との関係性を深めるとともに、クリニックのことを忘れられないようにするという効果も期待できます。
そうであれば、発行回数は多い方が効果も高まるでしょう。
ニュースレターの発行は、少なくとも3、4カ月に1回を保っておくとよいでしょう。
半年に1回の発行ではあまりにも回数が少なく、なかなか効果が出ない可能性があります。
逆に頻繁にニュースレターを発行するとなると、本業に差し支える場合もあります。
ここは無理のない回数を設定し、長く続けることが大切です。

このように患者との距離を縮め、信頼関係を構築するニュースレター。
即効性は期待しにくいとはいえ、増患のための土台を固めるという意味では非常にメリットのある集客方法といえます。
試してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2019年9月現在の法令・情報等に基づいています。