山内経営会計事務所

『美容サロン』を日本で体験したい外国人は4人に1人!?

18.11.07
業種別【美容業】
dummy
インバウンド消費が加速するなか、『訪日客の4人に1人が、日本の美容サロンの利用を希望している』というデータが、ホットペッパービューティーアカデミーの調査により明らかになりました。
外国人客が魅力に感じている日本の技術と、経営側の持つ可能性について考察していきます。
dummy
行ってみたいのは、世界遺産よりも美容サロン

日本政府観光局が2003年からスタートした外国人旅行者の増加を狙う『ビジット・ジャパン事業』のもと、近年、訪日外国人の観光目的は“体験できる日本”にシフトしてきています。つまり、訪日外国人の日本滞在中の行動が“モノ消費”から、日本でしかできない“コト消費”を楽しむことへと広がりを見せているのです。
中でも最近になって人気を高めているのが、ヘアサロンやエステティックサロン、ネイルサロン、アイビューティサロンなどの『サロン利用』です。
2014年の訪日旅行者数トップ4のアジア圏の女性(中国・香港・韓国・台湾在住の20~49歳800名を対象)に、“日本で体験してみたいこと”を聞いたホットペッパーアカデミーの調査(複数回答)では、回答者の3割近くが『美容サロンへ行く』と答えていたという驚きの結果が。
なんと、『日本の世界遺産や名所などの観光』よりも上位にランクインしたのです。
実際に利用した美容関連サービスでは、ホテルに併設されたリラクゼーションサロンやエステティックサロンの利用が多いものの、街の美容室・美容院・ヘアサロンへの関心も高まっています。
リクルートホールディングスはこうした美容業界の兆しを、“インバウンド”と“美容”を掛け合わせた『美ンバウンド』というキーワードを発表して注目を集めました。


“美ンバウンド”の実践例をチェック!

外国人客が日本のサロンを利用したいと思う理由はさまざまです。
『清潔感がある』『衛生的』など、日本人にとっては当然といえるポイントでの満足度が高いようです。
逆に、その当たり前のサービスを、さらに丁寧に心がければ、外国人客の心をつかめるともいえます。
さらに、『仕上がりがイメージ通り』『効果が持続する』『カウンセリングが丁寧』『1回で効果を実感できる』という高い技術力でも評価されています。

実際にインバウンド美容を実践しているサロンの例を見ていきましょう。
月に50人ほどの外国人利用者がいるサロンA。
最初は、近隣にある外国人がよく宿泊するホテルなどにチラシを設置してもらいました。
それと同時に、各施設のスタッフから、チラシを見て関心を持った宿泊客をサロンへ誘導してもらう流れを確立。
サロンではスタッフの英会話力を高め、いざ外国人の利用者が来店した際にはスムーズに対応できるよう、準備と日々のブラッシュアップをしています。
また、サロンのホームページも英語対応とし、クチコミで評判も拡散。
このように、“英語が通じる日本のサロン”という位置づけで、見事『美ンバウンド』を味方につけたといいます。

今や、外国人向けツアーのオプションに『美ンバウンド』を取り入れている大手旅行代理店もあるほど。
こうした新しい需要の波に乗ることも、経営戦略の一つとなりそうです。