山内経営会計事務所

在留資格「介護」取得のメリットと求められるサポート体制とは!?

25.04.01
業種別【介護業】
dummy

高齢化社会の進展により、介護サービスの需要は年々増えていますが、その一方で労働力人口の減少により、介護人材が確保できない状況が続いています。
このように慢性的な人材不足に陥っている介護業界において、外国人の受け入れは人材不足問題を解消するための効果的な対策として期待されています。
今回は、そのなかでも、介護職として就労が許可される在留資格「介護」について解説します。

dummy

介護ではどの在留資格を選択すればよい?

近年、多くの介護事業者が外国人の雇用を検討していますが、介護施設で就業可能な在留資格の種類は複数あり、どれを選択すればよいのかわかりにくいという方も多いのではないでしょうか。
現在、介護職として就労が許可されている在留資格には下記の4つがあります。
(1)在留資格「介護」
(2)EPA(経済連携協定)に基づく外国人介護福祉士
(3)技能実習
(4)特定技能
このなかで(1)在留資格「介護」は、「介護福祉士」の資格を有することが資格取得の要件とされていますので、介護の実務だけではなく介護知識を体系的に学んでおり、専門職としての活躍が期待されている在留資格となります。

この在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を有する外国人が、介護や介護の指導を行う業務に従事するための在留資格で、専門的・技術的分野の外国人の受け入れと留学生の活躍支援の観点から2017年9月に制定されました。
在留資格「介護」を取得するためには、介護福祉士養成施設を修了し、国家資格「介護福祉士」に合格することなどが必要となりますので、難易度は高くなりますが、出入国在留管理庁の在留外国人統計によると、2019年は592名でしたが2024年6月末時点では10,468名が就労しており、急速に増加していることがわかります。

在留資格「介護」のメリットとデメリット

在留資格「介護」は、介護業務の専門性や日本語能力が高いため、介護人材不足の解消と共に即戦力や将来のリーダー候補として期待されています。
また、外国人介護職員本人にとっても、長期的な就業が可能、家族の帯同が認められる、在留資格の更新期限延長などの、以下のようなさまざまなメリットがあります。

(1)長期的な就業が可能
在留期間の上限や更新回数の制限がないため、在留期間の更新手続きを行えば長期的に就業することが可能となります。
(2)家族を帯同できる
配偶者や子供を在留資格「家族滞在」にて、帯同することができますので、家族も一緒に生活でき、人材が定着しやすくなります。
(3)日本語能力が向上する
介護福祉士試験の受験には、日本語能力N2レベル以上が必要であるため、日本語能力が向上します。
(4)専門的なスキルを習得できる
就労可能なサービス種別に制限がなく、施設・訪問系などすべての介護サービスに就労できるため、専門的なスキルを習得することができます。
(5)永住権取得の可能性がある
在留資格「介護」で5年以上働き、10年以上日本に滞在すると、永住権を申請することができます。

また、介護事業者にとっては、在留資格「介護」の方が就労していることで、異文化との交流によるコミュニケーション力の向上、チームの連携強化や指導力の向上などの効果がもたらされることが期待できます。

在留資格「介護」は、ほかの在留資格と異なり、介護福祉士養成施設修了や国家試験の合格などが必要となるため、取得には一定の期間を要します。
そのため、言語や生活面などでの不安は少ない傾向にあるものの、申し送り事項の記録、報告、利用者とのコミュニケーションなどの業務に関する専門的な事項について不安を抱えやすい傾向にあるため、事業所としての次のようなサポートが必要となります。

外国人職員への主なサポート体制
・記録、報告など業務について相談できる職員を配置する
・外部研修や勉強会へ参加する機会を設ける
・介護福祉士の受験費用や模擬試験の費用の支援
・食費や生活費、インフラ整備の支援

介護事業所で、継続的に在留資格「介護」の職員を確保するためには、上記のようなサポート体制の構築や環境づくりが重要となります。
在留資格「介護」の人材を積極的に活用することで、現在問題となっている人材不足問題の解消とあわせて、将来的に貴重な戦力となる可能性も秘めているので、一度検討されてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2025年4月現在の法令・情報等に基づいています。