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ゴールの定め方で成功の9割は決まる~意志力が成功のすべてではない~・・・藤田です。

16.10.13
職員通信1
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何かをやろうと決心したにもかかわらず、途中で挫折してしまった経験は誰にもあるはずです。そんな時に、自分は意志の弱い人間だと落ち込むことはありませんか?でも実はそのような失敗の原因は意志力ではなく、「ゴール設定」にあるかもしれません。
うまくゴールを設定すれば、かつて失敗した人間が同じやり方で目標を完遂できる可能性があるのです。

 

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「フレーミング効果」の活用が有効です。
この効果は物事の見方などにより印象が大きく変わるというものです。何か課題がある場合、それに対する印象をコントロールすることにより、取り組むモチベーションを上下させることができます。

●フレーミング効果の実験によりモチベーションの仕組み●

 アメリカミネソタ大学のアレクサンダー・ロスマン氏が行った実験では、患者に手術を受けさせる場合、患者に「600人中400人が亡くなる」と伝えるよりも、「600人中200人が助かる」と伝えた方が、患者の手術承諾率が高くなるという結果が出ました。手術の成功率は同じ33.3%ですが、患者はそれぞれの表現による印象の違いで、自分の命にかかわる判断を変えたのです。ここでは“助かる”という前向きな言葉が、手術を受ける意欲を高めた可能性があります。 

 もう一つ、お金にかかわる例を挙げましょう。
数年前にテレビCMで使われたストーリーです。店の主人が従業員の青年に「この給料の2割を貯金するように」というと、青年は「無理だ」と答えます。しかし、主人が「この給料の8割で暮らしてごらん」と言い換えてみると、なぜか青年は「やってみる」と答えたというものです。これもまた“苦しい節約で2割を貯金する”のではなく、“8割のお金は使える”と考えたことで、青年のモチベーションが高まったと考えられます。この例も手術の承諾率と同様に、フレーミング効果によるものです。


ムダにゴールを決めない

 その一方で、「ゴール設定」そのものに是非もあります。取り組むためのゴールをしっかりと設定したのに、結果的には、不利益を被るというものです。
これは、ニューヨークのタクシードライバーの勤務時間と売り上げの関係の研究で明らかになりました。当時のドライバーは1日の売り上げ目標額を決めて、その額に達すると、その日の仕事を終えるという働き方が多かったようです。
 日々の仕事を継続するうえで、働く目安を作るのはよいことです。
しかし、結果として雨が降るなどの「かきいれ時」にも、目標額に達したために、仕事を終えてしまうドライバーが多いという結果が出たのです。働き方に固執することにより、長く働けば普段よりも多く稼げるチャンスを逃すことになったのです。


心理を知って常識を超える

 正しい行動の継続のためにゴールを決めるという“常識”が結果的に損を生むこともあるわけです。
続けられないのは意志が弱いからというのも常識的な判断ですが、これも絶対ではありません。現実の世界では時に“常識”以上に“人間心理”が必要なのです。

 
 ゴール設定に関しては、プロ野球の常識を超えた「イチロー選手」の方法が参考になります。
高打率を残していた当時、彼は打率ではなくヒット数を目安にしていました。
実は、打率は3割バッターにとって、1試合4打席に1本のヒットを打ち続けても下がっていく数字です。
その一方で、ヒット数は打つほどに増えていきます。イチロー選手は、野球界では“打率”よりも注目度の低い“ヒット数”をあえてゴールとしたのです。おそらく、レギュラーとして出場し、注目を浴び続けたイチロー選手が、モチベーションを維持するための「人間心理」を踏まえた知恵だったにちがいありません。


気の持ちよう、考え方の転換といったところでしょうか?