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医療の接遇は「話し方」なのか

14.01.12
業種別【医業】
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「医療の接遇」というと、
医師の受け止め方は2パターンあるようです。

ひとつは、肯定派。
「うん、これからは患者さんにもやさしく、
丁寧にしなければいけないから、
あいさつとか、言葉づかいとか、話し方は大切だよね」

もう一方は、否定派です。
「医療に接遇? 要らないよ、そんなの。
医療機関は病気を治すことが本命で、
『患者さま』などと呼んで気持ちよくする場所ではない」
とおっしゃる。
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選ばれるクリニックへのナビゲーション

まあ私自身もいささか古い世代の患者のせいか、
いまだに「患者さま」はしっくりこないのですが、
否定派のなかには、
そもそも「医療はサービス業」だという考え方が
気に入らない方も多いようです。

じつは残念ながら、
どちらのタイプの先生にも共通に誤解されている点があります。

それは、「接遇=話し方」だと理解されている方が多いことです。
そこに「医療はサービス業」の金科玉条がからむせいか、
居酒屋チェーンや宅配業者などの朝礼や
研修風景が想像されてしまうのです。

「大きな声であいさつ! お辞儀は45度で!
おはようございます! ありがとうございました!
元気がない、もう一回!」というあれですね。

しかし、医療のような個別性の高い
顧客(=患者)を相手にする施設で、
一律なマニュアルによる「話し方」を身につけても、
現場で使えないわけです。

“接遇否定派”の先生方は単に
「パターナリズムが強い」のでも
「アタマが固い」のでも、
「時代に乗り遅れている」のでもなく、
「接遇」のイメージと理解によるもののような気がします。

あるいは、マニュアル化の不毛さを
理解されているからこそ否定的なのかもしれません。

では、医療の接遇とは「話し方」でなくて、何なのか。

東京大学接遇向上センターの開設に尽力された
元・同センター顧問の近藤和子さんは、
「カウンセリングマインド」にある、とおっしゃいます。


次回の選ばれるクリニックへのナビゲーションは、
「医療の接遇は「聴き方」である」をお届けします。


[プロフィール]
中保 裕子(なかほ・ゆうこ)
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。 
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