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人前であがらずに、そして臨機応変に話すための「ビジネス会話術」その6

16.01.14
ビジネス【マーケティング】
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「ビジネス会話術」の話題は今回が最後になります。プレゼンや発表のときに焦らずあがらず、落ち着いて効果的に話すためのノウハウや心構えを、ご紹介していきましょう。 

今回のテーマは、プレゼンも発表もスピーチも「聞いている人との会話だと考える」です。一方的にこちらから話すのではなく、「とりあえず30分間こちらが先に話す会話」だと考えると、プレゼンや発表は、がぜんうまくいくようになります。
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しかし、お客様へのプレゼンよりはリラックスできそうな部内での内輪の発表でさえも、手元の資料に目線を落としっぱなしの人が少なくありません。これでは対話のあるプレゼンや発表にはなりません。

しゃべる人と聞く人に立場がハッキリと分かれてしまい、聞く側は共感しようとするよりも「アラ探しモード」に入りがちで、良いことはありません。 

具体的に言うと、企画書をあらかじめ出席者に配り、自分もその企画書を見ながら話す場合、企画書に落とす目線は5割くらいと意識するのが良いと思います。頻繁に目線を上げて、聞いている人の様子に目をやり、とりわけキーマン(意思決定者)の動向には気を配ります。 

「プレゼンも会話」なのですから、相手が声を発していなくても、相手のしぐさや行動から「声なき声」を聞き取って、できるだけの対応を心掛けるのです。 

少なくとも、次のページに進むときは、「ページを1枚、おめくりください」と声をかけましょう。自分が次のページに行こうとしていても、キーマンがそのページにとどまっている場合は、少しの間、待つべきです。長くなりそうな場合は、「何か、気になるところがありますか?」と声をかけ、話を聞き出し、プレゼンの途中でも良いので、「会話」をしましょう。 

スライドを映写して発表する場合は、映写されている画面を見てはいけません。学生に発表してもらうと、発表しなれていない学生の場合、かなりの高確率で画面を食い入るように見てしまいます。しかし、自分がどこをしゃべっているかは、手元のPC画面を見ればいいわけですから、あとは聞いている人の方向に、身体と顔と目線を向けましょう。 

そして、プレゼンとかスピーチとか発表と考えずに、会話と考えて語りかけましょう。そうすることで、自分へのプレッシャーが劇的に減り、聞く側もあたたかく聞いてくれるようになります。 

最後の最後は、ある種の開き直りが大切です。「なーに、うまくしゃべれなくたって、死ぬわけじゃないし」と考えて、ぜひチャレンジを! 

さて、次回からは、新しいテーマについてお話をしていきたいと思います。 

次回は『広告会社で学んだ「チーム運営術」。部下やスタッフの上手な活用の仕方。その1』です。


佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法 


[プロフィール] 
佐藤 達郎(さとう・たつろう) 
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。 


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