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人前であがらずに、そして臨機応変に話すための「ビジネス会話術」その3

15.10.16
ビジネス【マーケティング】
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引き続き、プレゼンや発表のときに焦らずあがらず、落ち着いて効果的に話すためのノウハウや心構えをご紹介していきます。 

今回のテーマは、「練習通りにやらない」です。

えっ!? と思われた方もいるかもしれません。練習をたくさんやって、練習通りにやるのが、プレゼンや発表をうまくやる常道ではないのか? と。 

もちろん、練習は大事です。ある程度の練習は、確かに有効です。それでも、話を細部まで決め込んで練習を繰り返し、「練習した通り」に説明しようとするよりも、練習はだいたいにしておいて、一定の余白を持つように意識した方が、実は上手くいくのです。
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提案を受ける側になったことを想像してみましょう。自分がまだ理解しきれていないのに、とうとうとしゃべりまくる相手や、知らない単語を連発する相手をどう思いますか? 

相手がこちらの反応を気にせずに、自分のペースで話を続けてきたら、イヤになりますよね。 

提案はあくまでも相手のペースで行い、相手によって変えるべきです。ですから、「練習はだいたいにして余白を残す」のが正解なのです。提案はライブ感が重要。リハーサルを繰り返し演出されたプレゼンは、女優さんが行うような高度に訓練されたものを除けば、人の心を動かしません。 

細部までの練習を繰り返し、練習通りに説明しようとしたばっかりに、相手の思わぬ反応に遭い、しどろもどろの状態になってしまった先輩を、何人も見てきました。 

精緻な環境分析についての話し方を一生懸命に練習してきたのに、それを長過ぎると感じ、実際の提案をとにかく早く聞きたがる相手。リハーサルでは評判の良かったジョークに、ニコリともしてもらえず顔がひきつってしまったケース。4つのパートに分けて説明しているのに、パート3に興味を持ち、パート4はほとんど聞いていないお客様。 

ここは、決め込み過ぎず、相手の反応を見て、相手の無言の言葉を聞き取って、対応を変えるように心掛けましょう。 

では、リハーサルでは、何をすればいいのでしょうか? 

3つ、あります。一つめは、通しでプレゼンしてみることで、全体の流れを再度検討すること。聞き手が理解しにくい部分や、全体の順番の流れの悪いところなどを、発見して修正するのです。

二つめは、チームメンバー以外の人に聞いてもらい、初めて聞く人の反応を疑似体験すること。自分やチームメンバーには、初めて聞く人の反応が想像しにくくなっているからです。

三つめは、素直に質問をしてもらって、一生懸命に答えて、受け答えの練習をすることです。 

次回は『人前であがらずに、そして臨機応変に話すための「ビジネス会話術」その4』です。


佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法 


[プロフィール] 
佐藤 達郎(さとう・たつろう) 
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。 


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