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慣れた場所の見直しが、院内事故防止につながる

15.07.03
業種別【医業】
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夏休みシーズン、先生はどんな計画を立てていらっしゃいますか。ご自宅でゆっくり日頃の診療のお疲れを癒しますか?それとも海や山に出かけ、大自然のなかでリフレッシュしますか?
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東京から2040キロ、沖縄那覇空港から飛行機で50分ほどの離島、宮古島の民謡に「なりやまあやぐ」という唄があります。

「なりやま」は「慣れた山」、「あやぐ」は島言葉で「唄」の意味ですから、「慣れた山の唄」といった島唄です。この唄は「慣れた山でも気をつけてお行きなさい、馬に乗るときは手綱を離してはいけないよ、女性には心は許してはいけないよ」と夫を見送る妻からのメッセージを伝える歌であり、宮古島を代表する島唄として知られています。 


クリニックに置き換えると、「慣れた山」とはエントランスや待合室や診察室などのスぺースであり、日常診療における先生やスタッフの動作、言動とも言えるでしょう。院内事故や患者さんとのトラブルは、医療者の「慣れた山」から起こるものも少なくありません。 

尾内康彦著「患者トラブルを解決する『技術』」には、医療機関で起こる患者トラブルの事例とその対応が紹介されています。

たとえば、患者さんが院内でケガした場合、医療機関側で近くの外科病院に連絡し、タクシーを呼び事務職員が受診に付き添い、治療費はクリニックが負担する。「誠意を見せる」と言ってもわかりにくいのですが、当事者である患者さんから「こんなにしていただいて、かえって恐縮です」と言わせることが妥当だそうです。

しかし、小さいことでもトラブルが起これば対処には院長・スタッフともにエネルギーを要します。防げる事故は、防ぐに越したことはありません。入り口の足拭きマットはめくれやすくないか。待合室に電源コードなど引っかかりやすいものはないか。高齢の患者さんはスタッフが思う以上に足が上がらないことを前提に、ときどき「慣れない」目で客観的にチェックしてみてはいかがでしょうか。 


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[プロフィール] 
中保 裕子(なかほ・ゆうこ) 
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。  
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