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「おまえはクビだ!」と叫びたくなる前に知っておきたい労働法

15.05.17
ビジネス【労働法】
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遅刻や欠勤を繰り返す従業員がいる。何度注意しても改善されないぞ。「もう来なくていい! お前はクビだ!!」。こんなことはできるのでしょうか?

使用者と労働者との関係で、弱い立場にある労働者を守るために規定されているのが労働基準法です。たとえ、社長といえども従業員を好き勝手に解雇することは認められません。
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労働契約法第16条には、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と規定されています。社会の常識に照らして納得できる理由が必要ということです。

解雇の理由としては、「勤務態度に問題がある」「業務命令や職務規律に違反した」など労働者側に落ち度がある場合が考えられます。しかし、1回の失敗ですぐに解雇が認められるということはありません。「労働者の落ち度の程度や行為の内容」「会社が被った損害の重大性」「労働者が悪意でやったのか、やむを得ない事情があったのか」など、さまざまな事情を勘案して、解雇が正当かどうか、裁判所において最終的に判断されます。よって、会社として就業規則にのっとって対応したかどうかの証拠資料を残しておくことが重要となります。

解雇が無効と判断されますと、解雇した時から解雇が無効と判断された時までの期間は会社に在籍している扱いになります。その期間の賃金を支払わなければならないことになります。無効の判断までの期間が長いと数百万円という大きな金額になる可能性もあるのです。

解雇は、使用者が一方的に労働契約を終わらせることをいいます。これに対して退職勧奨は、使用者が労働者に「辞めてほしい」と退職を勧めることをいいます。これに労働者が応じた場合は、双方合意の労働契約の終了となります。よって、解雇が無効という話にもなりません。

ただし、退職勧奨はあくまでも退職を勧めているだけですので、労働者はこれに応じる必要はありません。やめてもらえない可能性もあるわけです。そこを、繰り返し強引に退職を促すと違法となります。3~4ヵ月に11回から13回の出頭を命じて、長いときには2時間に及ぶ退職勧奨が行われた「下関商業高校事件 最高裁昭和55年7月10日第一小法廷判決」では労働者側の主張を認める判決が出ています。


判例でカンタン理解・労働法


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