朝の蜘蛛と夜の蜘蛛・・・安達です
最近自宅の周りにやたらと蜘蛛が巣を作っています。
玄関外の上部に1つ、ベランダの屋根から物干ざおめがけて1つ、私はアパートに住んでいるのですが、アパートの通路に1つ。通路にあった巣は、私が気が付かず足をひっかけ壊してしまったのですが、翌日にはまた人に蹴り壊されないよう、遠慮がちに作り直してありました。
今までは家の外にるものばかりだったのですが、
とうとう家の中にいる蜘蛛と遭遇してしまいした。
大きさは親指の爪ほどで、家の中にいるのは嫌だな~と思ったのですが、
朝の出勤時でバタバタしていた為、そのままにして家を出ていきました。
「朝の蜘蛛は殺すな」とか「夜の蜘蛛は縁起が悪い」とかいう話を聞いたことありませんか?
この言い伝えはいったいどこから始まったのでしょう。
諸説あるようですが、
「夜の蜘蛛」というのは、「食わず女房」という物語からきているという説があります。
「食わず女房」のストーリーはこうです。
昔あるところにとてもケチな男がいて、
飯も食べないような女房がほしいと思っていました。
ある夜のこと、旅の女が一晩泊めてほしいとやってきたので、
泊めてやったところ、この女「飯を食べない」というので、結婚することにしました。
ところがその女の正体は「蜘蛛」で、
男が出かけた隙に、家にあった米をバクバクと食べていたのです。
それに気づいた男は怒って女を追い出そうとしますが、逆に捕えられ、
山へ連れて行かれそうになったところを、命からがら逃げだして、男は助かりました。
この話に蜘蛛が登場することから
「夜の蜘蛛は縁起が悪い」といった話になっていったとか・・
この話に登場する女ですが、地域によっては「鬼」であったという話もあるようで、
逃げる男を追ってきた鬼を、菖蒲の葉で追い払ったことと、その日が5月5日であったことから、
5月5日には菖蒲の葉を魔除けとして玄関に飾るようになった、という話にもなっています。
この話をきいていると、
どうやら「夜の蜘蛛」というのは「夜の訪問者」という意味であるようです。
今は電話やメールがあるので、夜中に突然人が訪れることは少ないとおもいますが、
もし夜遅くに突然電話が鳴ったら、受話器を取る前にどんなことを想像するでしょう。
「家族や親類、もしくは友人の身になにかあったのでは」など、不安な想像をしませんか?
昔は今と違って、伝えたいことは直接会いに行くか、手紙を送るといった手段しかありません。
きっと真夜中であっても伝えなければいけない話に、あまり良いものは無かったのでしょう。
そんな先人たちの経験から、夜に訪れるものはあまり良いものを運んでこない、
縁起が悪い、という言い伝えになったんだと思います。
逆に「朝の蜘蛛」の話もこれまた諸説ありますが、
昔の書物に来客や待ち人の兆しとして、蜘蛛が表現されていたことや、
蜘蛛は天気の良い日に糸を張ることなどから、
朝に見かけるのは縁起が良い、よい知らせを運んでくるといった話につながっていったようです。
ちなみに我が家に入り込んだ蜘蛛は、良いことも悪いことも運んできませんでしたが、
後日、夫に捕まえてもらい外に逃がしてやりました。