税理士の佐藤です・・・確定申告の季節になりました。
2月に入ると税理士は、公民館や青色申告会などの各会場で開催される税務の無料相談会に行きます。
かつての無料相談の会場は、時間前から順番を待つ人たちで殺気立っているのが常だったのですが、今年は打って変わってゆったりと対応することができました。
その訳は・・・・・・・・。
毎年2月になると、税理士は確定申告の無料相談会に3日~4日位は招集されます。
税務相談は税理士の独占業務であることから、少額の納税者の相談を無料で行うのは税理士の義務でもあります。
毎年多くの相談者が無料相談に訪れ、開始時間の1時間も前から順番待ちが始まります。
寒い中を長時間待たされるため、些細なことでトラブルになることもしばしば見受けられました。
ところが、ここ数年は相談者の数が徐々に減って来ています。
毎年4人掛けのテーブルに1人の税理士が対応するのですが、今年は2,3人が座る程度で対応しています。
午後2時を過ぎると会場はガラガラ状態です。
実は、平成23年分の所得税から年金の収入金額が400万円以下の方は原則確定申告不要となったのです。
申告不要となってから、今年は4年目なのですがやっとこのことが浸透してきたと言うのが大きな原因のようです。
無料相談の会場に訪れる方の多くは、高齢の年金受給者の方です。
医療費控除等があって還付申告に来られる方が多いのですが、納税になる方もいます。
その納税になる方のほとんどは年金収入が400万円以下です。
その方たちが申告不要となったことや、若い方たちが国税庁のホームページで申告をするようになったことなどが、相談者の減少に繋がったようです。
このことで喜んでいるのは私たち税理士では無く、実は税務当局なのです。
これから高齢化が進む中で、団塊の世代が65歳以上の年金受給者になると申告枚数はうなぎ登りに増えてきます。
これは税務署にとってはむしろ不都合で申告書を処理するコストの方が高くつくということのようです。
年金受給者400万円以下の方の申告を原則不要としたのは、納税者への配慮と言うよりも税務署の都合と言えそうです。