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EC事業に参入する前に! 知っておきたい法規制

24.03.12
ビジネス【企業法務】
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コロナ禍を経て、消費者が買い物をする際に、インターネットを利用する人がさらに増えました。
また、企業にとっても、EC事業は実店舗を構える必要がなく、コストを抑えて参入することができるぶん、事業を始めやすくなりました。
そこで今回は、このような時代にEC事業へ新規参入するうえで、事業者として注意したい法規制について説明します。
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特定商取引法の規制について理解する

通信販売は、『特定商取引法』という法律で規制されています。
通信販売は、実際に商品を見たり、店員に相談したりして購入するものではないため、消費者トラブルが生じやすい取引類型になります。
そのため『特定商取引法』で、消費者を守るためのルールが定められています。

たとえば、事業者は消費者に対して、販売条件や送料、契約の解除に関する事項、事業者の名称、住所、電話番号などの情報を提供する義務を負います。
多くの場合は、『特定商取引法に基づく表示』というページを作って、まとめて表示することが一般的です。

通信販売に、クーリングオフの制度はありません。
しかし、特約がなければ、消費者は商品の引渡日から8日以内であれば契約の申込の撤回または解除ができます。
そのため事業者は、契約の撤回または解除を制限する規程を設けるかどうかについて、検討する必要があります。
また、購入の最終確認画面では、商品の数量、回数、期間、定期購入である旨や解除の条件など、契約の主な内容を網羅的かつ明確に表示しなければなりません。
なお、いうまでもなく、虚偽・誇大な広告も禁止されております。

このように通信販売を行うWebサイトを作成するにあたっては、特定商取引法上の規制に注意する必要があります。

利用規約に明記する項目を確認する

通信販売では、多くの消費者と日々画一的な条件で取引をしていくことになるため、購入の都度に契約書を作成するのは現実的ではありません。
しかし、消費者とのトラブルを回避するためには、取引についてきちんとルールを定めておくことが大切です。

そこで作成するのが、『利用規約』です。
新たに利用規約を作成する際は、消費者契約法などに反する内容になっていないかについても、気を配る必要があります。
また、通信販売では、対面取引と異なり、お客の氏名、住所、電話番号など、さまざまな個人情報を取得することになります。
個人情報の取扱いについて定めたプライバシーポリシーの作成は、消費者の安心感を高めることにつながります。
もしも、その個人情報を今後マーケティングなどに活用したいと考えるのであれば、取得したデータの利用目的として、その旨をかなり具体的に明記する必要があります。

リスクを最小限に抑えるために

EC事業に限らず、新たな事業に参入する際には、事業を行うにあたって行政への届出や行政からの許可が必要ないか確認する必要があります。
たとえば化粧品を販売するのであれば、化粧品の販売業または製造販売業の許可が必要になり、中古品を販売するのであれば古物商許可が必要になります。
また、Webページを作成する際には、広告表現が不当な景品類、広告表示を禁じている『景品表示法』や医薬品や化粧品などの販売、広告について定めている『薬機法』などの規制に反しないかについても注意する必要があります。

EC事業は、新規参入しやすい反面、消費者トラブルが生じやすい取引類型です。
法律によってさまざまな規制がなされているため、リーガルチェックが必要になるポイントも多いといえます。
規制への対応を怠ると、後から大変な損失をこうむるリスクを抱えることになりかねません。
こうしたリスクを最小限に抑えるためにも、なるべく早い段階で専門家に相談するのが望ましいでしょう。


※本記事の記載内容は、2024年3月現在の法令・情報等に基づいています。