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雰囲気づくりにも一役買うサロンの適切な照明とは?

23.12.05
業種別【美容業】
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シャンプーユニットやスタイリングチェアなどと同じように、照明も美容室にとっては重要な要素の一つです。
お客を照らすライト一つで、店内の雰囲気は大きく変わり、集客にも影響を与えます。
しかし、シーリングライトやペンダントライトなど、照明の種類が多すぎてどのように選んでよいのかよくわからないというサロン経営者もいるでしょう。
サロンに適切な照明を選ぶためのポイントとなる、照明の基礎知識を解説します。
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美容室にはどのくらいの明るさが必要か?

美容室では、カラーリングの正確なチェックや細かいカットなど、ミスのない施術を行うために一定の明るさの照明が必要です。
もし、照明の光量が足りないと、カラーリングの色をしっかり確認できなかったり、手元がよく見えずに思わぬ事故が起きたりする可能性があります。
こうした事故を防ぐためにも、美容師法では美容室の施設基準として、作業面の照度を100ルクス以上と定めています。

照度とは明るさの度合いのことで、100ルクスは街灯の下や、一般的な住宅のトイレの照明くらいの明るさとされています。
施術ができないほど暗くはありませんが、決して明るいともいえません。

一方、日本の産業や製品について国が規格を定めた日本工業規格(JIS)では、施設における照明基準総則が定められており、美容室や理髪店は1,000ルクス以上の照度が推奨されています。
1,000ルクスは、パチンコ店やスーパーの生鮮食品売り場、晴天日の入り1時間前の太陽光の照度で、このくらいの明るさがあれば正確な施術は可能になり、カラーリングのチェックも問題なくできるでしょう。
照明が明るければ、鏡に映るお客の顔に影が落ちたり不健康そうに見えたりすることもないため、気分よく施術を受けてもらえます。

ただし、明るければどのような照明でもよいというわけではありません。
明るさには光の色の尺度である『色温度』というものがあり、ケルビン(K)という単位で表されます。

ケルビンが低ければ電球色や温白色などの暖色系の色合いになり、ケルビンが高ければ昼白色や昼光色といった寒色系の色合いになります。
カットやセットなど、細かな作業には5,000~6,500Kの昼白色や昼光色くらいの色温度がふさわしいとされています。
しかし、サロン内のすべての照明をその数値の蛍光灯にしてしまうと、いわゆる一般的なオフィスのような白色や寒色系の色合いの光になってしまい、お客がリラックスしづらいかもしれません。

たとえば、店内のメインの照明は3,000Kくらいの電球色の照明で固定し、手元は昼白色や昼光色などの照明にすると、雰囲気のよさと作業のしやすさを両立できます。

ベースの照明とスポットの照明を選ぶ

光の見え方は色温度以外にも、『演色性』という尺度で測ることもできます。
演色性は、光が物に当たったときにどのくらい忠実にその物の色を再現しているかを数値で表したもので、一般的に自然光を基準としています。
Ra(平均演色評価数)という単位で表し、自然光はRa100なので、この数字に近いほど自然光のような照明ということになります。
JISの照明基準総則によると、美容室はRa80くらいの演色性が望ましいとされています。

つまり、サロンの照明は、照度・色温度・演色性の3つに注意する必要があり、これらのポイントを押さえたうえで、自分のサロンに合う適切な照明を選んでいく必要があります。

サロンの土台となるベースの照明は、幅広い面積を照らすことができるダウンライトやシーリングライトがおすすめです。
ダウンライトは天井に埋め込むスタイルの照明であれば、天井をすっきりとさせることができます。
構造的に照度が低くなりがちですが、ほかの照明と併用することで、ベースの照明として十分機能します。

シーリングライトは、一般的な家庭でもよく使われている天井に取り付けるタイプの照明で、しっかりと広範囲に照らすことができます。
ただし、明るさは十分ですが、店内を均一に照らしてしまうので、雰囲気づくりがむずかしいというデメリットもあります。

また、施術エリアなどを照らすスポットの照明には、狙ったところに光を当てることができるスポットライトやユニバーサルダウンライトなどが適しています。
これらのライトは、サロンの雰囲気を演出する間接光としても使えるのが魅力です。

スポットライトとシーリングライトの特徴を併せ持つシーリングスポットライトは、天井に複数のスポットライトを取り付けることができ、角度も自由に変えられるので、多くのサロンで採用されています。

ほかにも、店内をゴージャスに彩るシャンデリアや、吊り下げるスタイルのペンダントライトなども、使い方や組み合わせによっては抜群の効果を発揮します。

作業のしやすさと、店の雰囲気やコンセプトなどに合ったものを兼ね備えた照明を選び、自店をより魅力的な店舗に近づけていきましょう。


※本記事の記載内容は、2023年12月現在の法令・情報等に基づいています。