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『配属ガチャ』に絶望する新入社員の早期離職を防ぐには

22.12.13
ビジネス【人的資源】
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2022年の夏頃、『配属ガチャ』というワードがSNSで話題になりました。
スマホのソーシャルゲームやおもちゃが出てくるカプセルトイになぞらえた言葉で、主に、「配属ガチャにハズレた」や「配属ガチャに失敗」など、希望ではない部署に配属された新入社員の不安な心境を自虐的に表現する文脈で使用されています。
このように不安を抱えている新入社員は、早期離職の予備軍と捉えることができます。
今回は、企業側が講じることのできる早期離職を防ぐための対策を紹介します。
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新卒の新入社員のうち3割が3年以内に辞職

新卒採用者をはじめとした新入社員の配属先は、新入社員の能力や適正、企業の採用計画や人事計画などに基づき決定されます。
新入社員本人の希望も加味されますが、必ずしも希望していた部署に配属されるわけではありません。

企業は熟考のうえ配属を決めていますが、そのプロセスが可視化されていないため、希望の部署に配属されなかった新入社員たちは、まるで運任せのガチャで配属先が決まったかのような印象を受けてしまうわけです。

希望の部署に配属されなかったとしても、ほとんどの場合はある程度仕事を覚えてくれば、配属前後に感じていた不安は解消されるものでしょう。
しかし、一部の新入社員は「この仕事は自分に合っていないのでは」「この会社だと自分のやりたいことができない」などの思いに囚われ、退職を考えるようになってしまいます。

厚生労働省では、毎年、新規学卒就職者の離職状況を公表しています。
2021年3月に卒業した新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は、高卒就職者で約3.5割、大卒就職者で約3割という結果になりました。
このデータからは、毎年、約3~4割の新入社員が3年以内に離職していることになります。

せっかく採用した新入社員の早期離職は、採用や教育にかかったコストの損失になると共に、社内のモチベーション低下を招く恐れがあります
教育担当の社員や各部署のリーダーにとっては、これまで新人に注いできたリソースが無駄になってしまうため、社員やリーダー自身の仕事への意欲を失うことにもなりかねません。

また、離職率が高いことは、対外的にもイメージがよくありません。
就職戦線において、離職率の高い企業は応募者から避けられる傾向にあります。


なぜその配属先に決まったかを丁寧に説明する

企業にとっても大きなダメージになる新入社員の早期離職を防ぐには、第一に配属のミスマッチを防ぐことが重要です。
配属先の業務内容だけではなく、上司や先輩、取引先や職場環境と新入社員がマッチするのかどうかも確認する必要があります。
また、希望していた部署に配属できなかった新入社員には、なぜその部署への配属になったのかを丁寧に説明することも大切です。
その部署ではどのような能力が発揮できるのか、新入社員のどのような点を評価しているのかなど、新入社員自身が気づいていなかった適正を指摘することが、本人の納得感につながります。

多くの会社は、新入社員の入社後に配属先を告知していますが、場合によっては内定通知と同時に、理由とあわせて配属先も伝えることも有効です。
入社前に配属先を知ることによって、仕事に対するイメージもしやすくなり、心の準備も十分にできます。
ただし、内定の時点で配属先を伝えることは、内定辞退を招いてしまう可能性があることも留意しておきましょう。

新入社員に対する周囲のフォローも重要で、どのように期待を寄せているのか、将来的にどんな仕事を任せたいのかなどを部署のリーダーが中心となり、定期的に伝えるようにするとよいでしょう。

また、希望部署に配属された新入社員でも、人間関係などで悩みを抱えることがあります。
希望外の配属をされた社員のみならず、すべての新入社員に対して、対話の場を設けることが重要です。

日頃からコミュニケーションを取り、いつでも上司や同僚に相談しやすい雰囲気ができていれば、新入社員も悩みや不満を抱えたままにはなりません。
4月の新入社員の入社や新年度を見据えて、いまのうちに社員の声にしっかりと耳を傾けることのできる環境づくりを行っていきましょう。


※本記事の記載内容は、2022年12月現在の法令・情報等に基づいています。