佐藤会計のスタッフメルマガ!!

期末決算前に慌てない! サロンの在庫管理のヒント

22.12.06
業種別【美容業】
dummy
期末時に残っている商品の在庫数量・金額を確認する『棚卸』は、決算に影響する重要な作業であり、倉庫にある物も含めすべての現物が対象となります。
さまざまな商材を扱う美容サロンにおいて、こまめな在庫管理を怠ると、売上減少やお客とのトラブルにつながる可能性があります。
今回は、サロンの在庫管理における重要性と共に、効率的に行うコツを紹介します。
dummy
サロンにおける在庫管理の重要性

一般的に棚卸は商品や材料などの現物の在庫数量を正確に確認して、会計上の期末棚卸資産を確定させる作業を指します。
棚卸によって仕入れと売上の差を明らかにすることで、サロンの利益を正確に把握します。
美容室ではシャンプーやカラーリング剤、ネイルサロンではネイルカラーやパーツなどが対象で、ほかにもお客様に販売するヘアケア用品やネイルケア用品、宣伝用の印刷物などもカウントする必要があるでしょう。

在庫管理ができていないと、サロンの利益にもマイナスの影響を与えます。
必要な商材はいつでも使えるように在庫を取っておきますが、どうせ使うからといって在庫を取りすぎてしまうのは危険です。
サロンで取り扱う商品・製品は種類が多く、長年使われていない在庫は経年劣化により廃棄となることがあります。
反対に、在庫の数が少なすぎると、必要なときに商材を使うことができず、施術の機会損失につながります。

大切なのは、サロンにとっての適正な在庫数を把握し、その数を維持することです。
こまめな在庫管理をしていれば、在庫過剰により余計なコストがかかることや、在庫が足りずに使用や施術の機会を失うことにはなりません。
そのため、日頃から適切な在庫管理を行うことが大切となります。


数量把握だけに終わらせない!在庫管理のメリット

正しい在庫管理を行うことで、毎月の仕入れ数と使用・販売数を近くすることができ、「足りなくなっては困るから」という理由で過剰に在庫を抱えてしまうことがなくなります。

また、会計期間の利益を正しく計算できるようにもなります。
定期的な棚卸で在庫数を確認することで、正確な『売上原価』を出すことができます。
売上原価は、
【期首商品卸売高(前期の在庫分)+当期仕入卸売高(当期に仕入れた分)―期末商品卸売高(当期の在庫分)】
で算出します。

売上原価がわかれば、『売上総利益』を出すことができます。
売上総利益は、
【売上高―売上原価】
で算出します。

棚卸をして在庫金額を算出することで、はじめてサロンの正確な売上総利益を確認できるというわけです。
また、常に最新の在庫数を認識することで、適正な在庫の維持にもつながります。


便利なシステムを取り入れて効率アップ

たくさんの商品を取り扱い、人手不足ともいわれる美容業界では、定期的に在庫管理をすることは困難かもしれません。
そこでおすすめなのが、商品を一括で管理できる『POSシステム』の導入です。

POSとは『Point of Sales』の頭文字を取った言葉で、『販売時点情報管理』を意味します。
POSシステムを用いれば、商品情報や売上実績、在庫状況などをリアルタイムで把握できます
パソコンに苦手意識のある人からすると、エクセルや手書きの管理表などのほうが手軽だと思われるかもしれません。
しかし、手入力や手書きのものだと、自ら計算をする必要があり、どうしても人為的なミスが起こりやすくなります。
一方、POSシステムでは、事前に商品情報をデータベース化しておくことで、入力ミスも減らしていけます
システムによる在庫管理は作業効率の向上のみならず、ミスのない正確かつ適正な在庫管理を実現するうえでも効果的に活用できるでしょう。

以上のように、正しい在庫管理はメリットも多く、システムの発展と共に効率化も進められています。
美容サロンにとって在庫管理が重要である最も大きな理由は、適正な在庫を保持しながら、正確な利益を計算するためです。
在庫の回転率を把握し、業務的にも経済的にもスムーズな経営を目指しましょう。


※本記事の記載内容は、2022年12月現在の法令・情報等に基づいています。