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なぜシマウマは家畜にならなかったか…大橋です

12.04.12
事務所通信
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最近は暖かく桜もいよいよ満開、ようやく春になったという感じです。

今月は本のご紹介です。

ジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄」

10年前に発刊されたこの本ですが、
今年発売された文庫本はベストセラー第1位になりました。

最近は暖かく桜もいよいよ満開、ようやく春になったという感じです。

…と、このように毎月メルマガを当たり前のようにお送りしておりますが
このようなものを送れるようになったのも、インターネットが発明されたおかげです。

インターネットが世に出て十数年で社会の仕組みはだいぶ変わったように思います。
大きく社会が変わる発明、というのは古今色々あるもので
たとえばエジソンが発明した電球は夜から闇を消し、飛行機の発明は人を空に飛ばしました。

古くは「農業」も社会を大きく変えた発明でした。

石オノを持ってマンモスを追っかけていた人類は、農業により安定した食糧生産を獲得し
狩りに行かずにすみ、余った時間で文明を発展させることができました。

「火薬」「活版印刷」「羅針盤」といえば、『世界三大発明』と呼ばれる大発明です。
(我々の商売道具である「複式簿記」もたまにそう呼ばれることがありますが…)

「火薬」は銃や爆弾を生み社会の軍事力をべらぼうに向上させ
「活版印刷」は優れた知識を人々に共有させ
「羅針盤」はヨーロッパ人を外の世界に送り出しました。

外洋にでたヨーロッパ人は、アフリカ・ポリネシア・そして南北アメリカ大陸につくと
そこを植民地にしようとしました。
先住民たちは反抗しましたが、その頃の彼らはまだ石器をつかっていたそうなので
銃を持ち、鉄の装備で固めたヨーロッパ人に手も足も出ませんでした。

この時についた勝敗は現在まで禍根を残しており、先住民の子孫と征服者の子孫の間には今だに差別問題があるようです。

勝敗をわけたのは、両者の「文明力」の違いです。

「ひのきのぼう」では「てつのつるぎ」には勝てず
先住民たちは「てつのつるぎ」を持っていなかったため征服者に負けてしまった。
ということですね。

しかし、これはよく考えるとちょっと不思議なことで、逆に考えると次のような疑問を生みます。

『なぜ先住民は「てつのつるぎ」を持てなかったのか?』

一万年前にはヨーロッパ人も石オノでマンモスを追っかけていたハズなのに
なぜヨーロッパ人だけが優れた技術を持てたのでしょうか。

アメリカ先住民が銃を持ち海を越え、ヨーロッパを征服する世界にならなかったのなぜでしょうか。


ということで、今月は本のご紹介です。



















 

ジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄」

10年前に発刊されたこの本ですが、ピューリッツァ賞を受賞し、朝日新聞の「ゼロ年代の50冊」で第1位。
今年発売された文庫本はベストセラー第1位になりました。

上記の「アメリカ大陸の先住民はなぜ旧大陸の住民に征服されたのか」という壮大な疑問を
「現在分配されている富や権力の差は、人種的な優劣によるものではない」という出発点から
大小様々な視点により考察しております。

狩猟採集民族はどのように農耕民族になったか。

病原菌・流行病はなぜ発生し、ヨーロッパとアメリカ大陸に何をもたらしたか。

ドングリはなぜナッツやアーモンドのように栽培されなかったのか。

などの考察を上下巻約800ページのボリュームでつづられております。

本メルマガタイトルの「なぜシマウマは家畜にならなかったか」の答えも
作中に書いてありますので、気になる方はぜひ手に取っていただけたらと思います。

ベストセラー作品のため、どこの本屋さんにも置いてありますよ。