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介護事業所における『理学療法士』の役割とは

22.07.05
業種別【介護業】
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介護業界で『理学療法士』を採用するケースが増えています。
理学療法士とは、いわばリハビリテーションの専門家。
日常動作が困難になり、機能改善のサポートを必要としている人をサポートする人材として、高齢者施設やデイサービスなどの施設で注目されています。
今回は、理学療法士が果たす役割や、自社で採用する場合に心がけることを紹介します。
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利用者の運動機能改善をサポート

理学療法士とはリハビリテーション分野における専門職です。
『理学療法士および作業療法士法』に基づく国家資格で、『PT(Physical Therapist)』とも呼ばれています。
理学療法士の就職先は主に病院、整形外科等のクリニック、リハビリテーションセンターなどの医療機関が多くを占めていますが、近年では毎年約一万人の理学療法士が誕生しており、介護事業所への就職も増加しています。
また、介護事業所での勤務先は、介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、有料老人ホーム等の入所施設が大半です。
在宅介護を希望される高齢者の増加によりデイサービスやデイケアなどの通所施設や訪問看護ステーション(訪問リハビリ)等への就職も増えています。

理学療法士の仕事は、病気やケガなどが原因で身体に障がいが残ってしまった人に対して、基本動作能力(寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなど)や日常生活動作(ADL)の改善を支援することです。
具体的には体操や歩行訓練などの運動療法やマッサージ、電気治療などの物理療法を用いて、機能低下の防止や日常生活への復帰を目指して効果的なサポートを行います。

特に介護現場においては、医療機関よりも長期にわたって利用者の日常生活にかかわることになりますので、理学療法士によるリハビリの重要度は高くなります。
利用者に合わせて福祉用具の選定や調節を行ったり、自宅での生活に向けて住環境の整備をサポートすることも、理学療法士の仕事の一つです。
ケアマネジャーや実際に利用者の介護に携わる介護スタッフとも連携し、情報の伝達を行う重要な役割を担っています。

では、介護事業所で理学療法士を採用する際は、どのようなことに注意すればよいでしょうか。
理学療法士の資格を保持しているだけでは、介護事業所で活躍できるとは限りません。
介護事業所で働く理学療法士は、一般的には次のような資質が求められています。

●コミュニケーション能力が高く、利用者と信頼関係が築けること
●行動力と状況に応じた対応力があること

そのほかにも利用者の声に耳を傾ける『傾聴力』や、現状を把握するために『情報収集力』なども必要な能力といわれています。

介護事業所の体制によっては、理学療法士が本来のパフォーマンスを発揮できるかどうかに影響を及ぼすことがあります。
人材不足の介護事業所では理学療法士にも介護業務のサポートを求められることがあり、本来の理学療法士としての役割を全うできず、モチベーションの低下や離職に繋がるケースもあります。

今後、さらなる高齢社会を迎える日本においては、病気やケガからの機能回復や運動機能の維持だけではなく、健康状態の維持や介護予防に向けて働きかける理学療法士の需要は、さらに増すと予想されています。
介護事業所においては、理学療法士の専門性を活かし、最大限のパフォーマンスを発揮させることで個々の利用者の状況に併せたリハビリに特化することも可能となります。
利用者や家族のニーズに答えることができる介護事業所を目指してはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2022年7月現在の法令・情報等に基づいています。