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掲載内容に制限がある『医療広告』の限定解除要件とは

22.04.07
業種別【医業】
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医療広告は、専門知識のない市民を守るという観点から、医療法によって内容を制限されています。
2018年には法改正が行われ、これまで対象外だったWebサイトも規制の対象に含まれることになりました。
したがって、医療機関のWebサイトでは、広告可能な項目以外のことは書いてはいけないことになっています。
ただし、一定の要件を満たせば『限定解除』となり、広告可能な項目以外のことも書けるようになるケースもあります。
今回は、医療広告の限定解除要件について説明します。
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医療広告で掲載可能な内容とは

医療行為は人命に関わることもあるため、もし不当な広告で患者が不適切な医療機関を選んでしまった場合、取り返しのつかないことになる可能性があります。
医療情報という専門性の高い分野において、Webサイトの情報から患者がサービスの良し悪しを判断することは、難しいという側面もあります。

そのため、医療広告にはさまざまな規制が設けられており、たとえば、患者の主観に基づく体験談や、雑誌やテレビへの紹介実績などは掲載してはいけないことになっています。
ほかにも、『日本一の医者』と断定したり、『絶対に治る』など効果の保証も禁止されています。

医療広告に掲載可能なのは、『医師又は歯科医師である旨』『診療科名』『病院又は診療所の名称や連絡先等』『診療日や診療時間』をはじめとした、13の事項に限られており、これらを『広告可能事項』といいます。
広告可能事項の詳細は、厚生労働省が発行している『医療広告ガイドライン』で確認することができます。

医療広告ガイドラインは、2018年に施行された改正医療法に伴って策定されたもので、医療広告の指針についてまとめてあります。
医療広告ガイドラインでは、これまでは対象外だった医療機関のWebサイトについての規制も盛り込まれており、これからWebサイトを制作する場合は、規制に触れないようにあらかじめ確認しておくとよいでしょう。


広告可能事項の限定解除とは

医療広告が厳しい広告規制を受ける一方で、患者の情報入手は円滑に行われる必要があるという考え方から、以下の4つの要件を満たした場合は広告可能事項の限定を解除できます。

(1) 医療に関する適切な選択に資する情報であって、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するWebサイト、その他これに準じる広告であること
(2) 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会できるよう、問い合わせ先を記載すること。その他の方法により明示すること
(3) 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること
(4) 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

(1)は、Webサイト以外に、患者からの希望により送付したメルマガやパンフレットなども該当します。
(2)は、電話番号やメールアドレスなどのことです。
(3)は、自由診療の費用のほかに、診療の具体的な内容や治療期間・回数などをできるだけ詳細に表示する必要があるということです。
(4)は、自由診療のメリットだけではなく、副作用などのデメリットについても、同じくらいのボリュームで掲載する必要があります。

これらの(1)~(4)の要件を満たすことで、自由診療の詳細な治療内容や、広告可能事項以外の診療科目名や学会資格、厚生労働省未承認の医薬品や医療機器を用いた治療内容などが掲載できます。

また、治療前と治療後の写真やイラストなどは、原則掲載してはいけないことになっています。
一方で患者が治療内容を理解しやすいという利点もあることから、医療広告ガイドラインでは、(1)~(4)の要件を満たし、治療内容、費用等に関する事項や治療等の主なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な説明をつければ、掲載しても問題ないとしています。

Webサイトにこれらの情報を記載する際は、リンクを張って詳細ページに誘導するなどわかりやすさを持たせるように心がけ、デメリットも見つけやすいように掲載することが大切です。

また、誇大広告や虚偽広告であると認められた場合は、引き続き規制を受けることになります。自院を宣伝する際は医療広告ガイドラインによく目を通し、理解しておきましょう。


※本記事の記載内容は、2022年4月現在の法令・情報等に基づいています。