佐藤会計のスタッフメルマガ!!

税理士の佐藤です・・・12万円もかけてチラシをまいたのに!?

12.02.13
所長通信
dummy

ある過疎地の田舎にあるメガネ屋さんが「12万円」かけて新聞チラシを打ちました。

結果は割引目当てのお客様が3人来店しただけ。
一人のお客様を獲得するのに4万円も費やしたことになります。
もちろん広告代も出ません。
さて、この後メガネ屋さんがその後にとった行動とは・・・?

この店のメガネの平均購入価格を3万円で、粗利が1万円だったとしても、3人のお客様から得られる粗利益は3万円。
どう考えても採算は合いません。
一人4万円も費やして獲得したお客様には少なくとも5回以上儲けが出るまで、出来れば一生買い物をして頂きたいのです。
 もちろんお客様を囲い込まなければならないのですが、囲い込まれたら逃げたくなるのが人間です。
「お客様は蝶々のように捕まらない」のです。

「販売員は金魚のフンのようだ」と表現される人もいます。
蝶々を捕まえるには「網ではなく、花になる」必要があるのです。
そこで、お客様を囲い込まなくても必要なときに振り向いてもらえるようにするにはどうすればよいのか?

①お客様とのゆるいつながりをもつ

 このメガネ屋さんは、綺麗なデザインのチラシを新聞折り込みをしても全く反応が無く、
とうとう資金も尽き鉛筆で手書きしただけの原稿に商品の事は一切触れず、個人的な趣味の話を書いたチラシを200枚作りました。
近所にポスティングしたところ初めて反応があったのです。
商品の話には反応しないのに、私の好きな本の話・我が家の冷蔵庫の中身の話など、日々のくだらない話を書いたチラシは皆が読んでくれたのです。
お客様を無理に囲い込まなくても興味を持たせ反応させる事ができたのです。

②名簿を作る

 しかし、チラシを読む人が増えても売上は上がりません。
何故なら扱っている商品が高級なメガネで宝石と同じような物。チラシを読むたびにメガネを買う人はいないのです。
しかもチラシは一方通行で誰が読んでくれているか解りません。
そこで、お菓子を仕入れてチラシに載せてみると、なんと1日中お客が途切れることなく来店したのです。そこで何とかお客様にお願いし住所と名前を聞き出して名簿を作りニュースレターを送ることにしました。
これで、お客様から嫌われない売り込み方でよりピンポイントで売り込みもできるようになりました。

③伝道する

 それでも、扱っているのは高級なメガネ。老眼鏡を売る時のライバルは1,000円のメガネです。
いくら良い物でも欲しいと思わない人に8割引きで売ることはできません。
そこで買ってくれる、買ってくれないは一切考えずに「私が思う老眼鏡のあり方」だけを徹底的に伝えたのです。
しばらくするとお客様から質問が来るようになり、それに必死に勉強して答え、それをニュースレターで伝える事を繰り返しているうちに、
「高いなぁ」と言われながらも「あんたがそんなに言うなら、いっぺんその高い老眼鏡を買ってみるわ」と言うお客が現れました。
他の予算を回してメガネを買ってくれたのです。
自分が信じるメガネとの関わり方を愚直にお客様に伝え続けたら道が開けたという事を実感した瞬間でした。

このメガネ屋さんは、長い時間をかけて試行錯誤し、「ゆるい関係」を保ちながら、伝えなければならない事は伝え続けることで売上を作りだしてゆくことに成功しました。

  『大型店からお客を取り戻す“3つのしかけ”』山田文美著より