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健康長寿にも好影響が期待できる『歯科の再生治療』

20.11.02
業種別【歯科医業】
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病気やケガなどで失った臓器や組織を再生し、元通りにしようとする『再生医療』は、現在新しい技術として大きな注目を集めています。
もちろん歯科も例外ではなく、『歯科の再生治療』への期待は高く、日々研究が重ねられています。
新しい技術を診療メニューに取り入れることは、治療の選択肢を増やし、また保険外診療による収益アップにもつながるかもしれません。
今回は、歯科の再生治療について、ご説明します。
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歯科治療の概念がくつがえる、歯科の再生治療 

むし歯や歯槽膿漏などで歯を抜いたり、部分的に失ったりした場合、さし歯や入れ歯などの人工歯で欠けた部分を補うのが一般的な治療方法です。

また、近年では、これに加え保険外診療でのインプラントも定着してきました。
インプラントは、少し前までは最先端治療として注目されていた治療法で、あごの骨に人工の歯根を埋め込むため、さし歯や入れ歯よりも歯の安定感が高く、まるで自分の歯を取り戻したようにしっかり噛むことができるとして、多くの人々に支持されています。
健康な歯への影響も少なく、自然な見た目となることも大きなメリットです。
手法としてはずっと以前からあったのですが、この数十年で技術が格段に向上して精度が増したことと、全国的に普及してコストダウンしたことで、より多くの人が治療に臨めるようになりました。

そうしたなか、今後の最先端治療として注目されているのが、自分の歯を再生させる『歯科の再生治療』です。

再生治療は、現在のところ主に『歯周組織再生療法』と『自家歯牙移植』の2種類があります。

歯周組織再生療法は、歯周病で溶けてしまった歯の周りの組織に対して用いられる治療法で、GTR(組織誘導再生)法やエムドゲイン法といった方法があります
自家歯牙移植は、親知らずや乳歯など、以前に抜いた歯を使って移植する方法です。
自分の歯なので拒絶反応の危険性がほとんどないのが特徴です。
将来に備えて、抜いた歯を冷凍保存しておく『歯のバンク』を行う機関も登場しています。


再生治療で老後が変わる?

現在、歯科治療の基本は、“なるべく多くの歯を残す”ことにあります。
歯を失っている高齢者は認知症や要介護のリスクなどが高く、自身の歯がたくさん残っているほど、元気で長生きの傾向があることが明らかになっているからです。
“80歳になっても自分の歯を20本以上保とう”という『8020運動』を厚生労働省・日本歯科医師会が推進しているとおり、歯の健康は健康寿命にも深く関わるポイントと考えられています。

今は、“一度失った歯は二度と取り戻せない”と考えられていますが、歯の再生治療が普及すれば、失った自分の歯を、健康な歯として取り戻すことも夢ではありません。

健康長寿と口腔環境は密接に関係します。
高齢者だけではなく、どんな人にも自分の歯でおいしいものをたくさん食べられるような老後を目指して欲しいものです。
新しい患者の獲得のためにも、超高齢化社会に向けた再生治療への取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2020年11月現在の法令・情報等に基づいています。