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借入金、保証金、利息……金融機関から融資を受けた際の勘定科目

20.07.28
ビジネス【税務・会計】
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事業者が経営を続けていくなかで、銀行などの金融機関から事業資金の借入が必要となることがあるでしょう。
その際、経理担当者はその借入の取引を仕訳する必要があります。
融資を受けた際の借入金、事務手数料、収入印紙代のほか、借入金に対する利息を支払ったときや、元金の返済をしたときなど、それぞれどの勘定科目を選択すればよいでしょうか。
いざ仕訳をするときに困らないよう、各勘定科目について解説していきます。
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融資を受けた際の勘定科目

事業者は、事業拡大や経営の安定化などのために、金融機関から事業資金の融資を受けることがあります。
通常、融資を受けた際の借入金は、種類によって2つの勘定科目に区分されます。

●長期借入金……最終的な返済期日が1年を超えている借入金
●短期借入金……最終的な返済期日が1年以内の借入金

また、借入金を返済期日に一括で返済するケースのほかに、借入期間中に分割で返済していくケースもあるでしょう。

たとえば、3月決算の会社が、8月に金融機関から480万円の融資を受けたとします。
この融資における契約が、融資を受けた翌月から毎月20万円ずつの返済で、最終返済期日が24カ月後となっていた場合、いったい借入金の勘定科目はどうなるのでしょうか(ここでは、わかりやすくするために手数料や利子などは考えないものとします)。

この場合、最終返済期日が1年を超えているので、原則的に勘定科目は『長期借入金』に区分されます。

そして、決算時には、『長期借入金』のうち決算日の翌日から1年以内に返済期日を迎える分の金額を『長期借入金』から『短期借入金』または『1年以内返済長期借入金』の勘定科目に振り替えて、貸借対照表の流動負債の部に表示する必要が出てきます。
上記の例では、3月の決算日を迎えた時点で、残りの17カ月分のうち、次の決算日である翌年3月までの1年間分の『長期借入金』を『短期借入金』または『1年以内返済長期借入金』に振り替えるということです。


付随費用と返済に関する勘定科目

金融機関からの融資には、必ず手数料などの借入金以外の費用が発生します。
これらの借入金以外の付随費用に関しても、内容ごとに細かく勘定科目が決められています。

中小企業が金融機関から融資を受ける際には、保証協会の保証付きの融資を受けることが少なくありません。
この場合、借入金に応じて、保証協会に一定の保証料を支払う必要があります。
保証料を借入時に一括で前払いしている場合、返済期間にわたって費用として計上するため、次の決算日以降の費用となるもののうち1年以内のものは『前払費用』、1年を超えるものは『長期前払費用』として処理します。

また、課税文書にかかる印紙税は『租税公課』、融資に関わる事務手数料や送金手数料などは『支払手数料』という勘定科目となります。

さらに、日本政策金融公庫で融資を受けた場合の団体信用生命保険の特約料に関しては、『保険料』という勘定科目になります。
団体信用生命保険とは、融資を受けた事業者が万が一亡くなったり、高度障害になったりした場合に借入金を代わりに返済してくれる掛け捨ての保険のことです。

そして、借入金を返済する場合も、状況によって勘定科目が異なります。
返済の際には、基本的に借入金の勘定科目に準じて区分していきます。
借入金が『長期借入金』であれば、返済時も『長期借入金』になりますし、借入金が『短期借入金』であれば返済時も『短期借入金』になります。

ただし、これらの返済はすべて元金の場合で、利息の支払いは勘定科目が異なります。
利息は『支払利息』という勘定科目で処理することになっており、借入金の元金とは、勘定科目が異なるので注意してください。
また、保証協会の保証付きの融資を受けた場合に支払う保証料に関して、融資を受ける際ではなく、利息の支払い時に支払うケースがありますが、このときは、前述した『長期前払費用』ではなく、『支払利息』や『支払保証料』『支払手数料』等の勘定科目で処理します。

ちなみに、利息は経費計上できますが、元金は経費として計上することができません
区分を間違えると、決算にも影響が出てくるので十分注意する必要があります。

借入金の勘定科目は、種類によって細かく勘定科目が決まっています。
仕訳や決算の際に混乱しないように、よく確認しておきましょう。


※本記事の記載内容は、2020年7月現在の法令・情報等に基づいています。