税理士の佐藤です・・・「何にでも効く薬」が選ばれない理由
ある研修会の前日、やけに寒気がするので熱を測ってみるとなんと38度5分もありました。
その研修会は約250名もの参加者があり、しかも私は責任者の立場で絶対に欠席は許されない状況なのです。
あわてて薬局へ行くとそこには、
「クシャミ・鼻水・鼻詰り・発熱に効く薬」
と
「明日までに熱を冷ましたい方に効く薬」
が置いてありました。
さて私はどちらの薬を買ったでしょうか・・・?
答えは・・・
もちろん後者の「明日までに熱を冷ましたい方に効く薬」の方です。
これこそ私のための薬だ!と思い、値段など気にせずに買いました。(この薬の方が高額でした)
普段目薬を買うときはその店で一番安いものを買う私ですが・・・。
さて、私は何故普段目薬を買う時には一番安いものを買うのに、今回は数倍も高い商品を買ったのでしょうか・・・?
答えは、他の商品と効能の違いがはっきりわからない目薬については価格を判断基準にして選択し、商品の特徴をはっきりさせた「明日までに熱を冷ましたい方に効く薬」については私がその時まさに欲しかった商品であり、価格は二の次だったからです。
売り込む商品や売りたい相手を絞り込むと需要は高まります、このことはいろいろな商売にも言えることです。
例えは、
「60歳以上の方に開発された携帯電話」
「40歳からの化粧品」
何を誰に売りたいのか、それは他の店の商品とはどう違うのかとターゲットを絞り込むと「これは私のための商品だ」そう感じた消費者はそのお店や商品に殺到します。
ユニクロに行くとファッションに関するあらゆるものが並べられていますが、ユニクロが急成長を遂げた当時「なんでもあります。揃います。」という宣伝はせず、他店との違いを「フリース」に絞り込んで宣伝しました。
「フリース」に興味を持った消費者が店に集まるが結果としてはフリース以外の物も買っていきました。そして次には「セーター」に絞って宣伝すると言う戦略で成功しました。
「なんでもあります」「すべてがおすすめ」「だれでもオーケー」・・・といった宣伝ではお客様は他店との違いが分からない、分からなければ消費者はその商品やお店を選ばないということになるわけです。