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税理士の佐藤です。・・・『農業と連携せよ』

09.04.13
所長通信
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今月号の戦略経営者(当事務所の自計化企業に配布している月刊誌)の特集のテーマが

『農業と連携せよ・・・中小企業に格好のチャンス到来』という内容です。

 

世の中には失業で仕事がないという派遣社員がいる一方で、食糧自給率が著しく低い日本にあって重要な産業である農業には、後継者がなく衰退傾向にあります。

そこには農業と商工業の知恵を融合させることによるビジネスチャンスがあるはず・・・!

実は私の家内の実家も農家なのです。

千葉県の富里でスイカを作っている専業農家なのですが、後継者が居らず(家内は長女ですから私の責任も重大なのですが・・・)

今では大幅に出荷量も減って、小玉スイカ(大きいのは重いので出荷が大変)や人参を作っています。

繁忙期には家内の妹夫婦が手伝っているのですが・・・。

ところで、自分のことを棚に挙げて言えば、日本の農業が抱える一番の問題は跡継ぎ不在の問題です。

 

何故若い世代で農業が敬遠されるか

というと、その大きな理由の一つは農業が儲からないからなのです。では農業を儲かるビジネスに変えるには何が求められるのでしょうか?

そこで考えられるのが日本が世界に誇る商工業の知恵。

米や野菜を付加価値の高い商材に変えることが出来れば農業はもとより地方の商工業者にも格好のビジネスチャンスです。

国も本腰を挙げてバックアップに取り組み「商農工等連携促進法」なるものでバックアップしています。

既に地域の特産品を原料にした焼酎の商品化を進める酒小売業者や、地元の果実を使ったドライフルーツ商品の開発・販売を行う菓子メーカーがあったり、「子供向け野菜」を開発して幼稚園に給食サービスをするなどの農商工連携が動き出しているのです。

 

 さて、中小企業が農商工連携して新規事業を立ち上げようとした場合、新商品(新サービス)の企画立案する際のコツですが、今のビジネスにおいて最も大切な要素とされるのが「差別性」です。

他社と同じものはどうしても価格競争に巻き込まれてしまいますから。

 

そこで、「儲かる、儲からない」「出来る、出来ない」にとらわれず柔軟な発想が必要になります。

売れる商品を作るアイディアとしては、

例えば

①大福とショートケーキといった昔は人気があったけれど、今はそうでもないものを組み合わせて「イチゴ大福」を開発する発想

②地元の野菜を集めてこれを食べていれば長生きできると言ううたい文句で「100歳元気」というシリーズで売るという売り方で工夫する方法

③出荷できずにいた規格外の野菜を用いて魅力ある加工品を作り「もったいないシリーズ」で売りだす、これなら原価も安い。などなど・・・。

 

しかし、「農業」「商業」「工業」の独自のカルチャーがあることは否定できません(江戸時代からの隔たりがあるかも?)、

過去に大手企業の優秀な経営者たちが農業の分野に手を出して失敗した例も数多く、過酷で厳しい農作業への経営者の思いやりは絶対必要不可欠でしょう。

それに、大手より中小同士の連携の方がお互いの人間的なつながりが強くやり解りあえるはず、中小企業者が多くの課題を情熱を持って乗り越え新事業を成功させることが、日本の将来の食の安全、新しい雇用の創出など経済の発展に大きく貢献することは間違いありません。

今こそ、中小企業の経営者はもっと日本の農業に目を向けるべき時かも知れません。