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税理士の佐藤です・・・安いニッポン

19.12.17
所長通信
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「安い日本」日経新聞に3日間に渡り特集された記事によれば、今世界の中で、日本のモノやサービスの価格の安さが鮮明になってきているようです。

安いニッポンはインバウンド需要を呼び込む良い面もありますが、少しづつ貧しくなっている日本の現実を映すものであり、決して喜ばしいものではないようです。
世界6都市で展開するディズニーランドの入場券は日本が最安値(7500円)で米カリフォルニア州(13,934円)の約半額。
100円ショップ『ダイソー』のバンコクでの店頭価格は円換算で200円を超すそうです。

割安感は訪日客を増やしましたが、根底には世界と比べて伸び悩む賃金が物価の低迷を招く負の連鎖があります。
こうした価格差は日本の為替レートが低く評価されている(円安)ことが原因だとされてきました。

例えば『ビッグマック指数』によれば日本のビッグマックは390円米国では5.74ドルで売られている、これを基準にレートをはじき出すと1ドル67円で、現在の1ドル108円は30%強の円安になっています。
しかし、今の価格差は為替では説明がつかないと言います。
企業の賃上げが鈍く働く人の購買意欲が高まらない。
その結果物価が低迷し景気も盛り上がらない「負の循環」が『日本の購買力』を落ち込ませている結果だからです。

タイでは、上昇する賃金や店舗賃料分がダイソーの価格に転嫁されて日本の2倍の値段で売られていますが、それでも購買力が高まっている同国の中間層の負担感は少く消費者に買われています。
安いニッポンの背景には世界の成長について行けない日本の停滞がにじみ出ています。