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税理士の佐藤です・・・進むAI技術

19.11.19
所長通信
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最近私もスマホによる電子マネーの決済に慣れてしまい、コンビニ・スーパー・自動販売機・電車・バス・など日常生活の殆どがキャッシュレスで済むようになりました。

これに慣れてくると周りの人が小銭を数えながらもたもたと決済しているのがうっとおしく感じられてくるのですが、お隣の中国ではもう既にそのスマホ決済も時代遅れになってきているようです。

新聞によれば、スマートフォンによるキャッシュレス決済が進んだ中国で、今度はスマホも使わずに決済ができる「顔認証決済」が広がり始めているとのこと。 
コンビニの会計カウンターでタブレット端末に自分の顔を映すだけで決済が済み、切符を使わずに顔認証で地下鉄の改札を通れるなどの利便性の良さから、顔認証決済の利用者は1億人を突破したそうです。 

コンビニ大手のセブンイレブンでも広東省などで顔認証決済ができる店舗が1000店舗になり、店員がカウンターで商品のバーコードを読み込んだ後は、客がタブレットに自分の顔を映すだけで決済が完了してしまうそうです。 
これから中国では顔認証は一気に普及しそうです。 

海外旅行に行くと出国・帰国の際の入国審査がAIによる顔認証になっていることに驚いたのはつい最近の事ですが、中国ではこれが日常になりつつあります。 
日本は既に決済に於いては中国に2周遅れくらいになっており、日本政府が消費税導入の際に電子マネーの普及に力を注ぐ理由も解ります。 

しかし、一方で課題もあります。 
顔認証決済をするには事前に自分の顔を登録し企業側に提供する必要があります。 
顔認証を一気に普及させたい政府は12月からスマホ購入時に顔写真の提供を義務付けました。 
また、中国では「国家情報法」が施行され政府は国家の安全保障を脅かすと判断した場合、中国企業から情報を受けることが可能になりました。 

このような中、顔認証決済が生活に浸透すればするほど、中国は今後犯罪者の他に一般人さえも全土に巡らせた約2億台の監視カメラと連動させ、人の動きや居場所を監視する「監視社会」に近づくことになります。 
香港での抗議活動でマスクや帽子姿が多いのは当然と言えます。 
  
今後私たちの生活の中に顔認証決済が広がって行くのはまちがいないでしょう。 
利便性とプライバシーの保護のバランスをどうとって行くのか大きな課題となりそうです。