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法人税支払額に大きな差が出る?  “役員報酬”の目安

19.08.13
ビジネス【税務・会計】
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役員報酬を、どのように設定していますか?
役員報酬は設定額によって法人税の金額に大きな差が出るため、多くの経営者にとって頭を悩ませるポイントです。
特に起業したばかりの経営者は、法人税の支払い額を見越したうえで、資金繰りを考えなければいけません。

役員報酬の金額の目安は、どのくらいなのか?
役員報酬をいくらに設定すると、節税につながるのか?
今回は、そうしたお悩みを解消する、役員報酬の設定についてご説明します。
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役員報酬を高くすると資金繰りで困る場合も

役員報酬の金額を決めるときは、多くの場合『役員が受け取る報酬』と『支払う税金(法人税)』を比較して検討します。
現状の税法では、役員報酬の損金算入額には制限があるからです。
そのため、節税できる範囲(損益算入)で設定する必要があります。
このことを知らずに役員報酬を高額に設定してしまうと、後々、資金繰りで困ってしまう場合があります。
会社の利益を抑えて法人税の納税額を少なくしようとしても、役員報酬が損金として認められず、想定以上に法人税が高くなるケースがあるからです。
起業したばかりの経営者の方は、特にこの点に注意するようにしましょう。
なお、現在の税務上で会社の損金として認められている役員報酬は次の通りです。

・定期同額給与
・事前確定届出給与
・利益連動給与
・退職金
・ストックオプション
・使用人部分の給与のうち相当なもの

これらに当てはまらない役員報酬は損金になりません。
また、その役員の職務内容や類似法人の支給状況と照らした場合においても、職務の対価として相当な金額である必要があります。

社員に支払う給与と比べて、役員報酬には税務上、さまざまな制限があります。
そのため、『役員が受け取る報酬』と『支払う税金(法人税)』を比較して決めることになるのです。


利益を会社と個人でどう分けるかがポイント

法人税などの税金を考慮して役員報酬を設定するとき、事業で得た利益を『会社』と『個人』でどう分けるかがポイントとなります。

たとえば、利益が1,000万円で役員報酬が500万円の場合、

・会社の利益:1,000万円-500万円=500万円(これに法人税がかかる)
・個人の利益:500万円(これに所得税がかかる)

それぞれの利益や所得金額によって、法人税や所得税の税率が変わりますが、この税率の差が節税につながります。

法人税は、中小法人の場合、課税所得が800万円を超えると税率が上がるため(約34%)、会社の利益が800万円超となるかどうかが、役員報酬を設定するときの判断ラインとなります。

所得税は所得控除もあるので一概には言えませんが、年収600万円であれば20%の税率で収まると考えられるため、このあたりを一つの目安として考えることができます。

役員報酬は事業年度の初めに決めて、その後特別な事情がない限り、原則1年間は変更できません。
会社の資金繰りにも影響する大事なものなので、設定する際はよく考えて、決定しましょう。


※本記事の記載内容は、2019年8月現在の法令・情報等に基づいています。