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これはパワハラ?指導? トラブル予防に役立つ“正しい知識”

19.06.25
ビジネス【労働法】
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会社で働く人なら、“パワーハラスメント(以下、パワハラ)”は、一度は耳にしたことがある言葉です。 
一方で改めて「パワハラとは?」と尋ねられると、正確に理解している方は少ないのではないでしょうか。 
パワハラに関する正しい知識を身につけることは、社内でのパワハラ防止につながります。
また、万が一社員から「パワハラだ」と訴えられた場合にも、適切な対応ができるようになります。 
今回は、パワハラの正しい知識について解説します。
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職場におけるパワハラの定義と典型例

パワハラは、セクシュアルハラスメント(セクハラ)やマタニティーハラスメント(マタハラ)と異なり、法律上の規制はありませんが、厚生労働省では、次のようにパワハラを定義しています。
『同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為』

さらに、パワハラの典型例を次の6つに分類しています。
(1)身体的な攻撃
暴行・傷害
(2)精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
(3)人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
(4)過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
(5)過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
(6)個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること

具体的には、職場での次のような行為が、パワハラにあたる可能性が高いといえます。

・仕事の内容とは無関係なことでからかう
・職場の仲間で特定の社員を無視する
・殴る、蹴るなどの暴力
・「給料泥棒」などの人格を否定する発言
・通常はありえない部署への配置転換


正しい知識を身につけてトラブルを予防

先述の厚生労働省が示したパワハラの定義のうち、大きなポイントとなるのが“業務の適正な範囲を超えて”という部分です。
つまり、“業務の適正な範囲”を超えなければ、パワハラにあたらないということです。
一般的に考えられる範囲内で、仕事上必要な指導を行うことは、パワハラではありません。
このとき、相手がどう受け取るかは関係がなく、あくまで“業務の適正な範囲内であるかどうかが重要となり、過去の裁判例なども参考にする必要があります。
社員から「上司からパワハラを受けた!」といわれても、慌てずに、まずは状況を確認するようにしましょう。

職場トラブルは、会社にとって何一つよいことはありません。
職場の雰囲気が悪くなるだけでなく、生産性の低下を招いてしまうことすらあります。
こうした事態は避けなくてはなりません。
そのためには、パワハラに関する知識をしっかりと身につけ、トラブル発生の予防に努めたいものです。
パワハラ防止で効果があるといわれているのは、研修会の実施です。
社内研修を通じてパワハラ防止の啓蒙活動をすることが最も重要とされています。
また、相談窓口の設置も、効果が見込める防止策の一つです。
総務部や顧問弁護士などが窓口となって、被害者からの相談に対応できる社内体制を整備することで、被害を最小限に抑えることができます。

以上のことを参考にしながら、社員にとって働きやすい職場の雰囲気づくりを行っていきましょう。


※本記事の記載内容は、2019年6月現在の法令・情報等に基づいています。