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人手不足解消には、女性の受け入れ体制を整えることが急務

19.03.05
業種別【建設業】
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帝国データバンクの調査によれば、2013年から2018年にかけて人手不足による倒産が最も多かったのは建設業で、全体の約33%を占めていました。 
ここ数年で減少傾向にはあるものの、人手不足による倒産を防ぐことは建設業界の課題の一つといえます。 

そのため、対策の一環として、女性の雇用促進が急がれています。 
しかし、就労意欲のある女性はいるものの、会社側に受け入れ体制がないことから就職を断ってしまうというケースも。 
今回は、女性の受け入れ体制を整えるための環境づくりのポイントをご紹介します。
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女性から見た建設業界

建設業界は工事現場での作業も多く、体力のある男性が活躍しやすい業界といえます。
また、ケガなどが起こる危険性があること、労働時間が長いこと、休日が少ないことなどの課題もあります。
そのため、ほかの業界に比べて全体的に女性の志望者が少ないのも事実です。

しかし、中には、建築技能者として経験を積みながら建築設備士などの資格を取得し、キャリアアップできること、巨大な建造物をゼロからつくり上げていくことなど、仕事そのものに魅力を感じている女性もいます。
建設業界で働くことを選ぶ女性のなかには、一生の仕事として建設業界を選ぶ人も少なくないのです。


女性が働きやすい職場環境のヒント

勤労意欲の高い女性が安定して働ける環境があれば、人手不足の解消にもつながります。
では、女性が働きやすい職場とは、どういった環境なのでしょうか。

(1)産休や育休後の職場復帰がしやすい
女性が働きやすい職場にするためには、休む前と同じように働きやすい環境が用意されていることが理想です。
その一つとして、勤務時間があげられます。
もちろん復帰後にフルタイムで働きたいと考えている女性もいますが、時短勤務やフレックス勤務などが可能であれば、より多くの女性が働きやすさを感じるでしょう。

また、なかには子どもを預けることができない現状がネックとなって職場復帰に踏み切れない女性もいます。
工事現場の敷地内または近くに託児所を設置し、子どもを預けることができる環境を整えることができれば、女性が職場復帰するハードルも下がりそうです。

(2)更衣室やトイレなどを整備する
あらかじめ女性が参加することが決まっている工事現場などでは、女性専用の更衣室やトイレを準備していることもあります。
しかし全体的に女性が少ない建設業界では、女性専用の更衣室やトイレがないこともまだまだ多いようです。

女性が作業着に着替えられる更衣室がなければ、トイレで着替えるか作業着のまま出社することになります。
しかし工事現場ではどうしても作業着が汚れてしまい、そのまま帰宅することがむずかしいため、更衣室の設置は必要でしょう。

トイレの設置も同様です。その際、女性が安心して使用できるように、男女別の明確な表示をしたり、サニタリーボックスを設置したりといった配慮が必要です。

(3)服装面で配慮する
女性がスポットで工事現場に入るときにありがちなのが、作業服や安全靴などが男性用しかないというもの。
サイズが合わない作業服や安全靴を身につけていると工事現場で動きにくいため、事故につながるおそれもあります。
安全面から考えても、女性への服装面での配慮は重要な視点といえそうです。


助成金を上手に活用して環境整備を

女性の雇用を促進するためには、多方面での環境整備が課題となります。
しかし、それには経費がかかります。
この経費をできるだけ節約するために活用したいのが助成金制度です。

女性の雇用を対象とした助成金としては、『トライアル雇用助成金』と『人材確保等支援助成金』という二つの制度があります。
このうち、職場の環境や制度を整備する目的で利用できるのが、『人材確保等支援助成金』です。

たとえば、その中の『若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース』であれば、200万円を上限として、経費の3/5または3/4が助成されます。


建設業界の人手不足による倒産をできるだけ防ぐためにも、女性が働きやすい職場環境を整えることが急務です。
ぜひ検討してみてください。


※本記事の記載内容は、2019年3月現在の法令・情報等に基づいています。