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部下を「フロー状態」へ導く4つの姿勢

13.09.29
ビジネス【人的資源】
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フロー状態という言葉をご存じだろうか。 
集中力が極限まで高まり、 
自分の持っているスキル(技術や体力)を 
余すところなく発揮できている状態を指す。 

プロ野球の打者が 
「投手のボールが止まって見えた」と 
語ることがあるが、それこそがフロー状態である。
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サッカー選手なら、 
「ピッチ全体を俯瞰するように見える」ことがあるという。 

潜在能力を遺憾なく発揮する意味では、 
ビジネスシーンにもフロー状態を求めたい。 
上司の接し方次第で、部下のレベルを 押し上げることができる。 

以下に紹介するのは、 
プロスポーツの現場で指導者に要求される
「4つの姿勢」である。 

1.理解する姿勢 
 自分の意見を押しつけるのではなく、部下の話を聞く。 
「オーバーコーチング」と呼ばれる教え過ぎは、 
相手の話を聞いて理解する姿勢の欠如が招くものだ。 

2.予見する姿勢 
「彼(彼女)にはこういう特徴がある」と認識し、将来像を思い描く。 
そうすれば、日々の成長を見落とすことはない。 
小さな変化を上司に評価されると、 
部下はモチベーションを維持するだけでなく、向上できる。 

3.行動する姿勢 
言い聞かせるのではなく、自ら率先する。行動によって見本を示す。 
「業績を上げろ」と言いながら、部下に残業させて 
自分は先に帰る上司は、言動不一致の典型だ。 

4.考える姿勢 
何事も「成功への過程」ととらえれば、 
部下の失敗に意味を見いだすことができる。 
失敗したという結果で評価を下すのではなく、 
「なぜ失敗したのか」、 
「どうしたら現状を打開できるのか」をともに考えることで、 
部下から「仕事をやらされている」という感覚を取り除く。 

野球やサッカーといったジャンルや、 
プロかアマを問わず、 
優れたアスリートは「自ら判断する力」を持つ。 

重要な局面で部下が判断を間違えないために、 
上司は日頃から判断の材料を提供していかなければならない。 

4つの姿勢を意識すれば、部下との向き合い方に迷うことはないはずだ。 


次回は「スランプ気味の部下をすくい上げる方法」をお届けします。 


[プロフィール] 
戸塚 啓(とつか・けい) 
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。