皆様こんにちは税理士の佐藤です……だんだん値下げする「価格スキミング」という方法
前回値下げで利益を増やすというお話をしました。「価格弾力性」が高い商品(価格に敏感に反応して販売量が変わる)を値下げして販売数量を増やし売上を上げることは容易ですが、一方で価格を元に戻す際には「価格の上方硬直性」が働いて値上げは難しいため、値下げは慎重にという話をいたしました。そこでこんな工夫の方法もあります。
誰かれかまわず値下げをするのではなく価格に敏感な層に対してだけ値引きをして売上を増やそうという方法があります。例えば子供の小遣いの相場は、小学生1000円、中学生3000円、高校生5000円、一方サラリーマンの小遣いの相場は40,000円程度と言われています。価格に敏感な層だけを値引きの対象にした「子供料金」を設定するのもその一つです。
また人気作家の本はまず単行本が発行されて、しばらくしてから文庫本が発行されます。中身同じ本ですが値段は安くなります。これは価格が高くても早く読みたい人には単行本で高く売り、後になっても安く買いたい人には文庫本で安く売るという二段構えで利益を大きくするという方法です。
ファッション業界でもシーズン初めは定価(オシャレにこだわるお金に余裕)シーズンの後半にセール価格(価格に敏感な人)で売るという、最初に価格を高く設定してだんだん値下げする「価格スキミング」という方法がとられています。
スーパーのお弁当は夕方になると割引になる、価格に敏感な人はその時間まで待って買うという方法で、誰にでも安く売るのではなく価格に敏感な人だけ狙って安売りをする方法がとられています。