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空き家を相続したらどうする? 売却・賃貸・管理の選択肢

25.04.01
業種別【不動産業(相続)】
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近年、空き家問題が深刻化しています。
総務省の調査によると、2023年10月時点で全国の空き家数は約900万戸で過去最多を更新しました。
特に親世代の高齢化に伴い、相続によって実家の所有権を引き継いでも、そのまま空き家になってしまうというケースが増加しているようです。
しかし、空き家のまま放置することはトラブルの原因になりかねません。
今回は空き家を放置するリスク、そして実家を相続した場合の対策方法について解説します。

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空き家を放置するのはリスク?

「空き家」とは、「長期間にわたって居住やその他の使用がされていないことが常態化している建築物又はこれに附属する工作物」を指します。
「長期間」とは曖昧な表現で、地方自治体によって基準が異なる場合がありますが、一般的には1年以上にわたって居住その他の使用がなされていない場合は「空き家」と判断されることが多いようです。
「空き家」になる理由はさまざまですが、近年では相続によって実家を引き継いだものの、相続人が遠方に住んでいるなどの理由により誰も利用することがなくなった結果、空き家になってしまうケースが増えているようです。

しかし、空き家を放置することは、想像以上に大きなリスクを伴います。
空き家のリスクとして、まず懸念されるのが、固定資産税の負担増です。
適切な管理がなされていない空き家は自治体から「特定空家等」として指定される可能性があり、さらに自治体から勧告を受けると、住宅用地として軽減されていた建物の敷地の固定資産税が大幅に跳ね上がることがあります。
加えて、市町村からの行政指導や、状況によっては罰則の対象となることもあります。

また、防犯上の問題もあります。
管理されていない建物は不審者の侵入や放火の標的となりやすく、近隣住民の不安要素となってしまいます。
敷地内の草木が伸び放題になったり、敷地内へのゴミの不法投棄が発生したりすることで、近隣住民とのトラブルに発展するケースも少なくありません。

さらに見過ごせないのが、建物の資産価値の低下です。
空き家を長期間放置すると、建物の老朽化が急速に進行します。
雨漏りや害虫、設備の劣化などが発生し、その結果、資産価値が大きく下落してしまうおそれがあります。
こうした状態になると、将来的に売却物件や賃貸物件として活用しようとしても、その選択肢が著しく制限されてしまうことになりかねません。

このように、空き家問題は、一度発生してしまうと解決までに多くの時間と労力、そして費用が必要となるため、できるだけ早い段階で対策することが重要です。

空き家の活用法のメリット・デメリット

空き家リスクを回避するための具体的な選択肢には、主に「売却」「賃貸」「管理」の3つがあります。
いずれもメリット・デメリットがありますので、それぞれの特徴を詳しく解説します。

「売却」の最大のメリットは、維持管理の負担が完全になくなることです。
金銭面においても、固定資産税や光熱費などの継続的な支出がなくなることに加えて、売却益を得られれば他の資産運用にも活用することができます。
相続財産の売却にあたっては「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」の制度もあり、一定の要件を満たせば、被相続人が住んでいた家屋とその敷地を相続開始から3年以内に売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除することができます。

次に「賃貸」です。
毎月の家賃収入を得ながら資産を維持できるメリットがあり、借り手がいれば日常的な管理の手間を軽減することが期待できます。
一方で、賃貸に出すために物件をリフォームしなければいけないケースも多く、一定の初期投資が必要となる点がデメリットとしてあげられます。
賃貸管理を管理会社に委託するかどうかを決める必要もあり、管理会社を利用する場合は一般的に家賃の5%前後が管理費用としてかかるといわれています。
また、賃貸のニーズが高い地域であれば問題ありませんが、立地によっては空室リスクもあります。
借り手がつかない場合は維持費の負担が続く可能性がある点は事前に認識しておきましょう。

最後に、「管理」です。
将来的に引っ越す可能性がある、または思い出の詰まった家を残しておきたいというときには真っ先にあがってくる選択肢でしょう。
ただし、空き家の管理には定期的なメンテナンスが欠かせません。
雨漏りやカビの発生、シロアリ被害を防ぐための修繕が必要となります。
特に遠方に住んでいる場合は、管理会社や家族への協力を依頼するケースも出てくるかもしれません。
近年は「空き家管理サービス」が活用されるケースも増えてきており、以前よりは「管理」を選択しやすくなったといえるでしょう。

その他にも、シェアハウスや民泊としての運用や、建物を解体して更地にする「家じまい」といった方法もあります。
いずれにしても、空き家を相続した際に重要なのは、放置せずに早めに方向性を決めることです。
また、いずれの場合においても、注意点としては、相続登記を済ませておく必要があるということです。
2024年4月からは相続登記の申請が義務化されていますので、不動産を相続した場合は早めに相続登記をしておくことをおすすめします。

選択肢それぞれにメリット・デメリットがありますが、税制優遇制度などを活用しながら、自身の状況に合わせた最適な選択をすることが大切です。
とりわけ売却時の「3,000万円特別控除」などの優遇制度は期限が設けられているため、できるだけ早い段階で判断することをおすすめします。


※本記事の記載内容は、2025年4月現在の法令・情報等に基づいています。