『経営理念』のチカラ!
■ 長年、企業を存続できる喜び
印刷業を創業した亡父の時代から、私自身もお世話になり、印刷業界を長年牽引されてきた方の経営される印刷会社の社長交代に伴う就任祝賀会が、先月開催されました。
長年務めた社長を、娘婿の新社長にバトンタッチされ、新会長として万感の想いを込めた挨拶・・・とても心に残りました。
「社長交代はもとより、これまで60年超にわたって企業を存続できたことを、創業者が一番喜んでくれました」
「昨年の段階で、一年後には社長交代を・・・と創業者に打診した時、その際の社長就任パーティーは、長年の感謝の意を込めて、是非とも盛大に行って欲しい!」
一年前、初代社長でもある創業者に、そう乞われたそうなのです。
会費を強く固辞された会社の姿勢にも、その思いを深く感じました。
■ 原動力は『経営憲章』
新会長が、かつて社長に就任した当時、今から遡ること25年。
当時は、会社は財政的にもあまりゆとりがなく、盛大な社長就任のお披露目が叶わなかっただけに、次の社長交代期には盛大に・・・というのが、初代の悲願だったというのです。
「社長交代は、決して3~4年という短いスパンではなく、 20~30年越しの、長いスパンでの会社にとっての一大プロジェクト!」
確かに私自身、数多くのクライアントと仕事をさせていただくなかで、事業経書ほど難しいものはないと、実感しています。
最近、会計事務所経営者のなかでも、“逓増定期保険に加入”される諸先輩が増えています。
“逓増定期保険加入”にあたっては、退職予定年齢に達した時に、返戻金がピークになるように設計書を作成することが求められるだけに・・・
必然的に、リタイアするタイミングを決める必要性に、迫られるからです!
(つづく)
印刷業を創業した亡父の時代から、私自身もお世話になり、印刷業界を長年牽引されてきた方の経営される印刷会社の社長交代に伴う就任祝賀会が、先月開催されました。
長年務めた社長を、娘婿の新社長にバトンタッチされ、新会長として万感の想いを込めた挨拶・・・とても心に残りました。
「社長交代はもとより、これまで60年超にわたって企業を存続できたことを、創業者が一番喜んでくれました」
「昨年の段階で、一年後には社長交代を・・・と創業者に打診した時、その際の社長就任パーティーは、長年の感謝の意を込めて、是非とも盛大に行って欲しい!」
一年前、初代社長でもある創業者に、そう乞われたそうなのです。
会費を強く固辞された会社の姿勢にも、その思いを深く感じました。
■ 原動力は『経営憲章』
新会長が、かつて社長に就任した当時、今から遡ること25年。
当時は、会社は財政的にもあまりゆとりがなく、盛大な社長就任のお披露目が叶わなかっただけに、次の社長交代期には盛大に・・・というのが、初代の悲願だったというのです。
「社長交代は、決して3~4年という短いスパンではなく、 20~30年越しの、長いスパンでの会社にとっての一大プロジェクト!」
確かに私自身、数多くのクライアントと仕事をさせていただくなかで、事業経書ほど難しいものはないと、実感しています。
最近、会計事務所経営者のなかでも、“逓増定期保険に加入”される諸先輩が増えています。
“逓増定期保険加入”にあたっては、退職予定年齢に達した時に、返戻金がピークになるように設計書を作成することが求められるだけに・・・
必然的に、リタイアするタイミングを決める必要性に、迫られるからです!
(つづく)
■ 『経営憲章』
さらに、バトンタッチを受けた新社長が、社長就任挨拶の中で、
「5年前、異業種から印刷業界へと転職した当時から、なによりも大きな支えとなり、
そして事業を引き継ぐという責任感の原点となったのが、当グループの経営憲章『努力と創造と挑戦』です!」
そう、経営理念を強調されていたのも印象的でした。
まさに、経営理念こそが『100年企業』存続の大きな原動力・・・
そこで今月は、『経理理念』のチカラ!について考えてみたいと思います。
■ 『経営理念』のチカラ!
かの松下幸之助翁は、なぜ一代で、あれだけ大きな松下電器産業に育て上げることができたのか。
それも日本のみならず海外でも・・・
時折、講演会の後などで、私が政経塾OBであることをご存知の方からは、
こうお尋ねいただくことがあります。
私自身は、それはまさに『経営理念』のチカラ!だと思っています。
そこに掲げられた経営理念が、産業人の使命感として、
国内のみならず海外工場の従業員に至るまで、浸透していたからに他なりません。
私自身、今でも机の前に掲げている、松下政経塾時代の「塾是」「塾訓」「五誓」。
毎朝唱和していたのは、はるか30年前とはいえ、
今でもそらんじられるほど、魂に焼き付いています。
■ 『経営理念』にもとづく正しい経営のあり方
松下幸之助翁は、長年の事業経験をもとにした経営哲学を
まとめられた「実践経営哲学」の冒頭でも、
『まず経営理念を確立すること!』の大切さを
掲げられています。
「企業は、何のために存在するのか」
「正しい経営とは何か」
「人間とは何か」
社会の公器として、社会に貢献し、人を相手に商いをする以上、人間を知らなければいかん・・・
ということも含めて、『経営理念にもとづく正しい経営のあり方』をひたすら求め続けた結果が、
まさに松下電器の成長だったと思うのです。
■ 「非線形思考」と「非線形思考」
さらに『経営理念』は、「非線形思考」と「線形思考」
とのギャップ、経営者と社員との意識格差を埋める
重要なものであるという認識も、
経営者として強く持っていたいと思います。
経営者が失ってはいけないのは、「非線形思考」。
松下幸之助翁は、創業時に250年計画を立てていた
というから驚きなのですが、経営者は大きな夢を社員に語り、
将来の目指すべき夢の実現という結果から、現在に向けて逆算していくことも、
大切な思考かと思うのです。
対する社員さんは、どちらかというと、「線形思考」になりがちです。
今年は1億円
⇒来年は、前年20%アップの1億2,000万円
⇒再来年は、前年20%アップの1億4,400万円
・・・というように、現在から将来を積み上げていく思考です。
夢ではなく、日頃の現実から入っていきがちなのも頷けます。
「経営者の問題(目標)意識」と「社員の問題(目標)意識」とのギャップを埋めるのは、何か?
けっして社長の号令でもなく、
社員との飲み会でもなく、
これこそが『経営理念』なのです。
◆『経営理念』『事業理念』『事業観』を共有していないと、
本当に辛いとき、逆境のときに人は付いていかない。
◆『経営理念』を共有していないと、いつまで経っても、経営者と社員が同じ方向を向いて歩めないから、
社長が願うような速度で、会社が思うように成長していかない。
『経営理念』のチカラ!こそが「100年企業」存続の大きな原動力となることを、
嬉しいお祝いの場に同席しながら、あらためて実感した次第です。
2015年(平成27年)5月 山 崎 泰
さらに、バトンタッチを受けた新社長が、社長就任挨拶の中で、
「5年前、異業種から印刷業界へと転職した当時から、なによりも大きな支えとなり、
そして事業を引き継ぐという責任感の原点となったのが、当グループの経営憲章『努力と創造と挑戦』です!」
そう、経営理念を強調されていたのも印象的でした。
まさに、経営理念こそが『100年企業』存続の大きな原動力・・・
そこで今月は、『経理理念』のチカラ!について考えてみたいと思います。
■ 『経営理念』のチカラ!
かの松下幸之助翁は、なぜ一代で、あれだけ大きな松下電器産業に育て上げることができたのか。
それも日本のみならず海外でも・・・
時折、講演会の後などで、私が政経塾OBであることをご存知の方からは、
こうお尋ねいただくことがあります。
私自身は、それはまさに『経営理念』のチカラ!だと思っています。
松下電器の各所で毎朝唱和されてきた「綱領」「信条」「七精神」・・・
そこに掲げられた経営理念が、産業人の使命感として、
国内のみならず海外工場の従業員に至るまで、浸透していたからに他なりません。
私自身、今でも机の前に掲げている、松下政経塾時代の「塾是」「塾訓」「五誓」。
毎朝唱和していたのは、はるか30年前とはいえ、
今でもそらんじられるほど、魂に焼き付いています。
■ 『経営理念』にもとづく正しい経営のあり方
松下幸之助翁は、長年の事業経験をもとにした経営哲学を
まとめられた「実践経営哲学」の冒頭でも、
『まず経営理念を確立すること!』の大切さを
掲げられています。
「企業は、何のために存在するのか」
「正しい経営とは何か」
「人間とは何か」
社会の公器として、社会に貢献し、人を相手に商いをする以上、人間を知らなければいかん・・・
ということも含めて、『経営理念にもとづく正しい経営のあり方』をひたすら求め続けた結果が、
まさに松下電器の成長だったと思うのです。
■ 「非線形思考」と「非線形思考」
さらに『経営理念』は、「非線形思考」と「線形思考」
とのギャップ、経営者と社員との意識格差を埋める
重要なものであるという認識も、
経営者として強く持っていたいと思います。
経営者が失ってはいけないのは、「非線形思考」。
松下幸之助翁は、創業時に250年計画を立てていた
というから驚きなのですが、経営者は大きな夢を社員に語り、
将来の目指すべき夢の実現という結果から、現在に向けて逆算していくことも、
大切な思考かと思うのです。
対する社員さんは、どちらかというと、「線形思考」になりがちです。
今年は1億円
⇒来年は、前年20%アップの1億2,000万円
⇒再来年は、前年20%アップの1億4,400万円
・・・というように、現在から将来を積み上げていく思考です。
夢ではなく、日頃の現実から入っていきがちなのも頷けます。
■ 「非線形思考」と「線形思考」のギャップを埋めるのが『経営理念』
「経営者の問題(目標)意識」と「社員の問題(目標)意識」とのギャップを埋めるのは、何か?
けっして社長の号令でもなく、
社員との飲み会でもなく、
これこそが『経営理念』なのです。
◆『経営理念』『事業理念』『事業観』を共有していないと、
本当に辛いとき、逆境のときに人は付いていかない。
◆『経営理念』を共有していないと、いつまで経っても、経営者と社員が同じ方向を向いて歩めないから、
社長が願うような速度で、会社が思うように成長していかない。
『経営理念』のチカラ!こそが「100年企業」存続の大きな原動力となることを、
嬉しいお祝いの場に同席しながら、あらためて実感した次第です。
2015年(平成27年)5月 山 崎 泰